大河ドラマ「豊臣兄弟!」に登場する松永久秀(演:竹中直人さん)。「お墓はどこ?」と調べると、奈良県内に墓、供養塔、最期の城の跡と、混同しやすい場所がいくつか見つかります。この記事では、確認できた公的な資料や報道をもとに、久秀の墓と伝わる達磨寺と、信貴山城跡・立野の五輪塔との違い、お墓参りの前に知っておきたい注意点を整理します。伝承の部分は、伝承であることを明記しています。
松永久秀のお墓はどこ?達磨寺の墓と信貴山城跡・立野五輪塔の違い、参拝の作法【豊臣兄弟!(竹中直人さん演)】
松永久秀のお墓はどこ?達磨寺の墓と、ゆかりの地の違い
松永久秀(まつなが ひさひで)のお墓として伝わるのは、奈良県王寺町の「達磨寺(だるまでら)」にある墓です。久秀の死後、遺体は大和(現在の奈良県)で争った筒井順慶(つつい じゅんけい)が達磨寺に葬ったと、江戸時代の地誌『大和志料』に記されています(出典:Wikipedia「松永久秀」の記述)。奈良県の文化資源を紹介するページでも、達磨寺に伝わる「達磨寺略記」に、筒井氏が遺体をこの地に葬ったと記されていることが紹介されています。ただし、いずれも寺に伝わる記録や伝承にもとづくものであるため、この記事では「墓と伝わる」と表現しています。
久秀にまつわる場所は奈良県内に複数あり、お墓と混同されやすくなっています。まず違いを整理します。
松永久秀にゆかりの3つの場所(確認できた資料をもとに整理)
| 場所 | 位置づけ |
|---|---|
| 王寺町・達磨寺 | 久秀の墓と伝わる場所(伝承) |
| 三郷町・立野の五輪塔 | 地元で供養塔と伝わる石塔(由来は不明) |
| 平群町・信貴山城跡 | 久秀が最期を迎えた城の跡(墓ではない) |
達磨寺は、臨済宗南禅寺派の寺院です。王寺町の公式サイトでは、久秀の兵火などで荒廃を繰り返しながら、そのたびに復興されてきた寺として紹介されています。奈良県の紹介ページでも、久秀は達磨寺を焼いた人物でありながら、寺がその墓を設けて弔っていると紹介されています。
松永久秀とはどのような人物だったのか
久秀は、三好長慶(みよし ながよし)に仕えて頭角を現し、のちに大和の支配を進めた戦国武将です。茶の湯にも通じ、名物の茶釜「平蜘蛛(ひらぐも)」を持っていたことでも知られます。一方で、将軍の暗殺や東大寺大仏殿の焼失(1567年)に関わったとされるなど、「悪人」のイメージで語られることが多い人物です。ただし、これらには諸説あり、評価は分かれています。
天正5年(1577)10月10日(新暦では11月19日)、織田信長に背いて信貴山城(しぎさんじょう)に籠城し、落城のなかで亡くなりました。享年68と伝わります(出典:Wikipedia)。最期の様子は史料によって異なり、『信長公記』などでは焼死、『兼見卿記』『多聞院日記』などでは切腹と書かれています。首は安土へ送られたと『多聞院日記』にあります。こうした違いがあるため、この記事では最期を一つに決めて書くことは避けています。
信貴山城跡は、平群町の信貴山にあり、奈良県の資料では朝護孫子寺が所有する史跡と紹介されています。永禄3年(1560)に久秀が改修して居城としたと伝わり、現存する遺構の多くは松永氏の時代のものと考えられています。ただし、天主の跡には遺構が確認できておらず、本格的な学術発掘調査も行われていないとされています(出典:奈良県の資料)。
ドラマ「豊臣兄弟!」での松永久秀役・俳優の竹中直人さんと史実の違い
ドラマ「豊臣兄弟!」で松永久秀を演じているのは、俳優の竹中直人さんです。NHKの番組公式サイトでは、第11話「本圀寺の変」(2026年3月22日放送)の出演者に竹中直人さんの名前があり、あらすじでは、畿内を支配下に収めた織田信長が、大和を治める松永久秀を仲介役として、堺の商人たちに矢銭(軍資金)二万貫を納めさせる任務を小一郎と藤吉郎に与える場面が紹介されています(出典:NHK公式サイト)。報道では、この回で久秀が本格的に登場し、「悪名高い人物」として印象的に描かれたとも紹介されています(出典:Real Sound)。
史実の久秀と、ドラマの久秀は、同じではありません。場面の組み立てやせりふ、人物同士の関係には、物語としての創作が含まれます。また、久秀の評価そのものも、研究者の間で「悪人」一辺倒ではない見方が示されています。この記事は、すでに放送された範囲の、NHK公式サイトと報道で確認できる内容にとどめており、今後の放送内容には触れていません。
松永久秀と関わりの深い人物
久秀は、織田信長に一度は従い、のちに背いた人物です。信長のお墓については、織田信長のお墓の記事で、阿弥陀寺・総見院・本能寺の違いをまとめています。
同じ時代に京で動いた足利義昭については、足利義昭のお墓の記事(等持院)、その後の天下を担った豊臣秀吉のお墓の記事(豊国廟)もあわせてご覧ください。
お墓への行き方と、お墓参りの注意
達磨寺(久秀の墓と伝わる場所)
所在地は奈良県北葛城郡王寺町本町2丁目1番40号です。達磨寺の公式サイトによると、JR王寺駅の南口から徒歩約15分、またはバス(「明神一丁目」「白鳳台二丁目」行き)で「張井」バス停下車すぐです。車の場合は西名阪自動車道の香芝ICから国道168号線を北へ約10分で、参拝者用の無料駐車場(普通車30台)があります。
見学の時間について、達磨寺の公式サイトでは、平日は10時〜15時、土・日曜日は終日、本堂と方丈を見学できると案内されています(土・日曜日は「王寺観光ボランティアガイドの会」による案内があります)。奈良県の観光公式サイト「なら旅ネット」では、拝観時間10時〜15時、拝観料は無料と紹介されています。行事などで変わることもあるため、お出かけ前に達磨寺(電話0745-31-2341)でご確認ください。
久秀の墓は、本堂の西側にある高さ50cmほどの小さな石塔(無縫塔)です。もとは「松永弾正久秀墓 天正五年十月十日」と刻まれていたといわれますが、現在は摩滅して文字を読むことはできません(出典:達磨寺公式サイト、奈良県)。同じ場所には、片岡春利の墓と伝わる石塔もあります。なお、観光サイトの中には、筒井氏が葬ったのを「首級」とする紹介もあり、伝わり方には違いがあります。

信貴山城跡(久秀の最期の城)
所在地は平群町信貴山です(奈良県の資料)。城跡は信貴山の山頂付近にあり、朝護孫子寺の公式サイトでは、山頂の空鉢護法堂へ向かう山道の途中に「信貴城址」があり、山道は険しいと案内されています。歩きやすい靴で、天候や日没の時刻に余裕をもってお出かけください。城跡は朝護孫子寺の山の中にあるため、寺の案内や表示に従ってお参りしましょう。
立野の五輪塔(供養塔と伝わる石塔)
三郷町の立野には、地元で久秀の供養塔と伝わる五輪塔があります。ただし、町の文化財としての紹介など、由来を示す公的な資料は確認できなかったため、この記事では伝承として紹介するにとどめます。住宅地の一角にあるため、訪ねる場合は周辺の住民の方の迷惑にならないよう、静かにお参りしましょう。
お墓参りの基本マナー
墓所は今も供養の場です。大声や飲食は控え、写真を撮る際は、他の参拝者の迷惑にならないようにしましょう。石塔に触れたり、よじ登ったりしないでください。お花やお線香は、寺院の決まりに従ってください。
遠方で行けない場合の供養のかたち
歴史上の人物の墓所は、遠方で気軽に訪れにくいことがあります。ご自身やご家族の供養についても、お墓参りが難しい方や、身近に供養の場を持ちたい方には、自宅で納骨できるミニ骨壺「ZAYU(自宅納骨のミニ骨壺)」という選択肢もあります。
遠くの方も、身近な場所で手を合わせたい方へ
お墓参りに行けない距離にいても、手を合わせる場所を自宅に持つ「手元供養」という方法があります。急いで決める必要はありません。選択肢のひとつとして知っておいてください。
出典・参考資料
本記事で使用した事実の出典です(最終確認日:2026年10月26日)。
- 片岡山 達磨寺 公式サイト「境内のご案内」(松永久秀墓の位置・刻銘、駐車場)
- 片岡山 達磨寺 公式サイト「アクセス」
- 片岡山 達磨寺 公式サイト「由緒」(見学できる時間)
- 奈良県「松永久秀墓(所在:達磨寺)」(無縫塔・達磨寺略記)
- 奈良県観光公式サイト なら旅ネット「達磨寺」(拝観時間・拝観料)
- 王寺町公式サイト「達磨寺」(宗派・沿革)
- 奈良県の資料「信貴山城跡」(所在地、久秀との関係、遺構の特徴)
- 信貴山 朝護孫子寺 公式サイト「境内案内」(空鉢護法堂と信貴城址)
- NHK「豊臣兄弟!」第11話「本圀寺の変」(あらすじ・出演者)
- Wikipedia「松永久秀」(没年・享年、最期の史料による違い、『大和志料』の記述・二次情報)
- Real Sound「豊臣兄弟!」松永久秀の登場回の紹介記事(2026年3月配信・二次情報)
※表は上記の資料をもとにSOBANI編集部で整理しました。拝観の可否や時間、アクセスは変わることがあります。ドラマの内容は、NHK公式サイトと放送済みの範囲の報道に基づきます。
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