家族の変化と新しい需要

お墓は従来、子どもや孫などがお墓を承継する「家」を単位とするものでした。しかし、この「家」単位のお墓は世代に渡って承継していくことが前提で、継承者を必要としますし維持や管理にかかる手間や費用負担が非常に大きくなっています。そのため従来のお墓とは異なる新しい供養やお墓の形が考えられ、利用者側としては選択肢が増えています。

その中でも「永代供養墓」とは、一定期間寺院が供養や遺骨の管理を行う契約形態のことで承継していく必要がなく、寺院や霊園、納骨堂、合葬墓などさまざまな形態があります。類似の言葉で「永代使用権」がありますが、これは従来のお墓のように子や孫に承継していけるお墓の使用権のことを指します。

永代供養墓とは

「永代供養」(えいたいくよう)とは墓地を承継しないことを前提として、寺院が代わりに遺骨の管理や供養を行うことです。契約内容によって、一定期間(例:十三回忌や三十三回忌まで)の個別の墓で供養ができるようにし、その期間が終わったら合葬・合祀するというものと、最初から合葬墓や納骨堂に納められるケースがあります。寺院や霊園によって個別供養する年数や、墓地、納骨堂の形態、料金(永代供養料)に違いがあります。一度合葬したら、後で遺骨を取り出すことができなくなるため、改葬(遺骨を別のお墓に移すこと)を予定している場合は注意する必要があります。

永代供養墓のメリット

  • 継承者を必要としない。
  • 運営や管理は寺院や霊園管理者が行うため、自分が亡くなった後のお墓の管理や承継者にかける負担について心配をしなくていい。
  • 無縁仏にならず半永久的にお寺が供養してくれる。
  • 一般のお墓よりコストを抑えることができる。
  • 宗教宗派を問わず、寺院の檀家にならなくてもいいケースが多い。

永代供養墓のデメリット

  • 生前購入が原則のところが多い。
  • 檀家にならなくていい反面、葬式でお経をあげてもらえないことがあるなどの懸念点がある。
  • 合葬墓の場合は、後々遺骨の返還や改葬をしたくなってもできない。

似て非なる「永代使用権」と「永代供養墓」

「永代使用権」と「永代供養墓」は、言葉は似ていますが承継をしていくかどうか、年間の管理料がかかるかどうか大きく意味が違います。

永代使用権

お墓を使用する権利のこと。寺院のお墓の使用権(永代使用権)を購入し、墓石を建てて子や孫に承継して使用していきます。土地の所有権は寺院や霊園にありますので固定資産税はかかりません。永代使用権の費用と、墓石を建てる費用の他に年間の管理料がかかります。

永代供養墓

永代供養とは「寺院が続く限り供養する」という意味です。最初に永代供養料を支払い、一定の契約期間供養してもらいます。年間の管理料などはかかりません。個人や夫婦で契約するため、承継や自分の死後の管理の心配がありません。初めから他の人々と共同の合葬墓の場合は10万円~30万円程度、個人や夫婦単位のお墓の場合は30万円~100万円程度が相場です。