霊園や墓地を運営形態でみると、大きく「公営霊園」「民営霊園」「寺院墓地」の3タイプに分けることができます。そのなかから、今回は「公営霊園」をピックアップし、お墓を選ぶ際に知っておきたい知識や利用する際のメリット、デメリットを紹介します。
その他の運営形態の霊園についてはこちらの記事もご参考ください。
霊園や墓地を運営形態でみると、大きく「公営霊園」「民営霊園」「寺院墓地」の3タイプに分けることができます。そのなかから、今回は「公営霊園」をピックアップし、お墓を選ぶ際に知っておきたい知識や利用する際のメリット、デメリットを紹介します。
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「公営霊園」は、都道府県や市町村などの自治体が所有し、運営主体となっている霊園のことを指します。管理は自治体が自身で行うほか、民間業者に委託している場合もあります。自治体によって運営されているため、利用できるのはその自治体に一定期間以上住んでいる人に限られることがほとんどですが、八王子市営南多摩都市霊園のように、近隣の稲城市や町田市、多摩市などの住民へ向けた区画を用意している例もみられます。また、立地もその自治体内であることが一般的ですが、千葉県松戸市にある都立八柱霊園のように、まとまった土地を自身の自治体内に用意できなかったことから、ほかの自治体の地域内に作られている例もあります。
ひとくちに「公営霊園」といっても、区画のレイアウトや付帯施設の有無などによってスタイルは多種多様となっており、同じ自治体が運営している霊園でありながら全く違った造りになっているものも数多くみられます。敷地の広さひとつをとってみても、霊園全体が入り口から見渡せる程度のものから、園内にバス停が複数あったり、端から端まで歩いて1時間以上かかったりするような広大なものまでさまざまです。
また、提供されている墓域の様式も霊園ごとに違いがみられ、和型の墓石が並ぶ一般墓区画だけのものから、洋型の墓石が並ぶ芝生墓地区画だけのもの、その両方を備えたものなどがあります。なかには、藤沢市大庭台墓園やさいたま市の思い出の里市営霊園のように、雨に濡れずにお参りができる屋内墓地が建てられているものや、集合墓や納骨堂なども用意された墓域のバリエーションが豊富な霊園もみられます。継承者を必要としない合葬式のお墓を有している霊園も数多く、都立小平霊園や横浜市営墓地メモリアルグリーンのように、最近注目を浴びている樹木葬様式の区画がある霊園も増えてきました。
さらに、「公営霊園」は運営母体が自治体であることから、公園としての役割を兼ねて地域の人々へ向けて開放されていることが多いのも特徴です。特に広々とした霊園では、日常的に散歩やランニングなどを楽しむ人々の姿がみられることも珍しくありません。都立八王子霊園のように見渡す限りの山々に囲まれ、すべての区画が芝生墓地という緑豊かなものや、浦安市営墓地公園のように海に面した開放感あふれる立地にあるものなど、民営霊園に勝るロケーションの良さが魅力のひとつとなっている霊園もあります。
「公営霊園」には、民営霊園や寺院墓地と比較して次のようなメリットがあります。
霊園が立地している場所や利用する墓域のタイプにもよりますが、民営霊園と比較すると永代使用料や管理費が比較的安価に設定されている場合が多くみられます。ただし、古くからある「公営霊園」では、1区画の面積が民営霊園や寺院墓地に比べて広めにとられていることがあり、それに見合った墓石を用意すると結果的に費用がかさんでしまうこともあるので注意が必要です。
民営霊園や寺院墓地は石材店と提携していることが多く、お墓を建てる際には指定の業者のなかから墓石を購入することがほとんどです。一方、公共の施設である「公営霊園」では、基本的に石材店と提携することがないため、墓石を購入する業者を自由に選ぶことができます。また、墓石のサイズには明確な規定が設けられている場合がほとんどですが、デザインについては比較的自由度が高い傾向があります。
寺院墓地の場合は、お墓を持ってからはその寺院の教えに従っていくことを求められ、付き合いも続けていくことになりますが、行政サービスの一環として提供されている「公営霊園」には、信教による利用の制限は一切ありません。
ほかにも、自治体が運営していることから得られる倒産や廃寺の心配がないという安心感も、「公営霊園」ならではのメリットだといえるでしょう。
「公営霊園」を使用する場合には、年に一度の定められた申込期間中に申請をするのが一般的です。募集区画に対して申し込みの数が上回った場合には、抽選が行われます。その後、審査や料金の納入などを経て、使用許可証が交付されます。多くの場合、一般墓区画や芝墓地区画といった使用したい墓域のタイプを申請時に選ぶことはできますが、場所の指定まではできません。
新しい墓域を計画的に拡張していっている「公営霊園」もありますが、古くからある「公営霊園」には、すでにキャパシティを満たしていることも多く、「空き」が出た数に応じた人数しか新規で利用できない状況になっているところもあります。抽選で当選が得られなければ、1年単位で使用が先延ばしされることとなり、大きな時間的なロスが生じることとなります。
継承者を必要としない合葬式の墓域は生前の申し込みが可能となっているところがほとんどですが、それ以外の墓域の多くでは申し込み時に「親族の遺骨」が必要であったり、申請者が「葬儀の喪主を務めた」などの条件が求められたりする場合があります。自治体ごとに厳密な規定があり、抽選には通ったものの資格条件を満たさずに失格となるケースも少なからず生じているので、申し込みの際には細かな部分までしっかりとチェックしておくことが肝心です。
「公営霊園」は「民営霊園」や「寺院墓地」と比べると、次のような人や家族に向いているお墓のスタイルだといえます。
先にも述べたとおり、ひとくくりに「公営霊園」といってもその個性は千差万別で、1カ所1カ所違った特色がみられます。「公営霊園」の申し込みを検討しているようであれば、一度現地に見学に赴いて、利用イメージや雰囲気を体験しておくことをおすすめします。
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