受取人が死亡した場合の郵便物は、死後も配達されるのでしょうか。
今回は宛先人が亡くなっている場合の郵便物の取り扱いについて説明します。郵便物を遺族に転送できるか、郵送を停止するために手続きが必要なのかもチェックしてみましょう。

1. 故人宛ての郵便物は死後どうなるか?

故人宛ての郵便物は、受取人が死亡した事実を郵便局が認識した時点から、配達されなくなります。そして配達されなくなった郵便物は、差出人へ返還されるようになります。受取人が死亡した事実は、以下のいずれかの方法で郵便局側へ伝えることができます。

  • 遺族が郵便局へ受取人が死亡した事実を伝える
  • 遺族が郵便物の配達員へ受取人が死亡したことを伝える

郵便局側が死亡した事実を認識するまでは、郵便物が故人の住所に届くことになります。

2.故人宛ての郵便物は転送できるか?

故人宛ての郵便物を家族に転送することはできるのでしょうか?
結論からいうと、たとえ家族であっても、故人宛ての郵便物を転送することがはできません。郵便物は配達されるまで差出人に所有権があるからです。また、故人の郵便物を不正に取得し、悪用されるのを防ぐというのも転送ができない理由の1つです。

3. 故人宛ての郵便物は勝手に開封してもよいのか?

故人に宛てた郵便物を遺族が勝手に開封してもよいのでしょうか?
こちらも結論からいうと、故人宛ての手紙を開封しても罪にはなりません。

受取人が存命中の場合は、たとえ家族であっても勝手に手紙を開封すると罪になることがあります。

(刑法第133条:信書開封罪)

正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

この「正当な理由」というのは受取人が行方不明や死亡により、いかなる手段でも連絡が取れない場合などが含まれます。宛先人が死亡している場合は「正当な理由」にあたり、故人も訴えることができないため、故人宛ての手紙を開封しても罪にはなりません。

4. 郵便物・チラシなどについて遺族がすべきこと

郵便局が受取人死亡の事実を認識すると、郵送は停止されます。ただし、すぐに死亡した事実を郵便局へ伝えられたらいいのですが、すぐに対処できないこともあります。故人と遺族が別居していた場合は、郵便物やチラシなどが放置状態にならないよう注意が必要です。どのような対策をとるべきでしょうか。

 

郵便局に死亡した事実を伝える

まずは最寄りの郵便局または郵便配達員に受取人が亡くなった事実を伝えましょう。その際の、郵送を停止するための手続き方法は郵便局により異なるのが実情のようです。最寄りの郵便局に事前に電話などで問い合わせをしてみるのがよいでしょう。また、スムーズに手続きするためにも、以下のような書類を用意しておくといいでしょう。

  • 死亡したことを証明する書類(死亡診断書など)
  • 故人との関係を証明する書類(戸籍謄本など)
  • 故人宛ての郵便物
  • 印鑑

郵便受けはこまめにチェック・回収を

故人宅の郵便受けはこまめにチェックしましょう。郵便受けに届くのは郵便物だけとは限りません。郵便受けに投函されたチラシやDM、民間配達業者が配達する送付物などで、郵便受けの中がいっぱいになる可能性があるからです。

郵便物であふれている郵便受けは防犯上よくありません。空き家であることが一目瞭然なためです。空き巣に入られたり、ホームレスや犯罪者が住み着いたり、不良のたまり場になったりする可能性があります。また、郵便受けからあふれたチラシに放火される危険性もあります。郵便受けだけではなく家の状態に変化が起きていないかも含めて、こまめにチェックしましょう。

頻繁に回収ができない場合

遺族が近距離に住んでいればすぐに郵便物などを回収できますが、遠距離に住んでいる場合は頻繁に回収に行くわけにはいきません。しかし郵便物やチラシを回収しなければ、郵便受けはいずれいっぱいになってしまいます。次のような方法で対策をしましょう。

「無断投函お断り」のステッカーを貼る

「チラシ・勧誘印刷物の無断投函はお断りです」というステッカーが販売されています。郵便受けに貼ることで、チラシなどのポスティングを減らすことができます。

郵便受けをガムテープでふさぐのはNG

時折、郵便受けをガムテープなどでふさいでいる住まいを見かけます。たしかに郵便受けをガムテープなどでふさげば、チラシなどを投函されずに済みます。しかし郵便受けをふさいでしまうのはやめましょう。周りから見れば、空き家であることが一目瞭然なためです。