故人が公共料金の契約者であった場合は、契約の変更手続きをしなければなりません。今回は公共料金などの解約方法や名義変更の方法、引き落とし口座の変更方法について説明します。手続きは解約する場合だけに限らず、引き続き使用し続ける場合も必要です。うっかり忘れることのないように、死後すみやかに手続きを行いましょう。また、亡くなった方の銀行口座は、凍結されて使えなくなることにも注意が必要です。

1. 契約変更をしないとどうなる?

公共料金の契約者が亡くなっても手続きをせずに放置した場合、次のような事態がおこります。

使用していなくても料金が請求される

ガスや電気、水道などの料金は、基本料金に実際の使用量に応じた料金が加算されて請求されます。たとえ使用していなくても、解約手続きを行わなければ基本料金が請求されるため、相続人は支払わなければなりません。

引き落としされなくなる

契約者の死後に引き続き使用する場合も、名義変更や引き落とし口座の変更手続きが必要です。公共料金は口座振替で支払う方が多いものですが、故人の口座は凍結されてしまいます。引き落としができなくなるため振込用紙が届くようになり、振込をする手間がかかるようになります。さらに公共料金によっては、口座振替だと割引が適用されることもあるため、振込用紙での振込で割引が適用されなくなる分、料金が高くなってしまいます。

2. 解約や名義変更の手続き方法

ガスや電気、水道などの契約者が死亡した場合は、原則、相続人が引き継ぐことになります。解約する場合でも引き続き使用し続ける場合でも、手続きは必要です。期限はありませんが、死後すみやかに解約手続きを行いましょう。

もう使用しない場合は、解約手続きをします。うっかり忘れると、使用していなくても基本料金を支払い続けることになります。できれば次の月の引き落としがされる前までに行いましょう。相続人のだれかが引き続き使用し続ける場合は、名義変更や引き落とし口座の変更をします。

それぞれの契約変更の手続きについて詳しく見ていきましょう。

2-1. 電気の契約変更

電気は各地方、地域ごとに管轄の窓口が分かれる大手電力会社の他にも、新電力といわれる小売電気事業者の場合があります。まずは請求書を確認し、契約している電力会社を確認しましょう。手続きの際に、請求書や領収書などに書いてある「お客様番号」を聞かれることがあるので、手元に用意しておきましょう。

解約の手続き

電話やインターネットで行います。電話の場合は受付時間に気をつけましょう。

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

名義変更はインターネットでできることもありますが、ほとんどの場合が電話での手続きになります。

引き落とし口座を変更する場合は、「口座振替依頼書」の提出が必要です。手続きが完了するまでに1~2カ月程かかるので、早めに手続きを行いましょう。以下のいずれかの方法で提出します。

1. 金融機関の窓口に提出する方法

電力会社が指定する金融機関に「口座振替依頼書」の用紙が設置してあるので、記入して窓口に提出しましょう。手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 通帳
  • 通帳で使用している印鑑
  • 請求書や領収書などお客様番号の記載されている書類
2. 郵送で提出する方法

用紙は、インターネットからのダウンロードや電力会社へ電話で郵送依頼することにより入手できます。必要事項を記入した後、電力会社へ郵送して提出します。

2-2. 都市ガスの契約変更

ガスは公共料金である「都市ガス」と自由料金である「LPガス(プロパンガス)」に分かれます。請求書を確認して契約しているガス会社を確認しましょう。都市ガスは電気と同じように、地方ごとに管轄があります。

解約の手続き

電話やインターネットから解約できます。電話の場合は受付時間に気をつけましょう。 屋内にガス機器がある場合など、閉栓作業のときに立ち会う必要がある場合もあります。

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

名義変更は電話で手続きをします。 引き落とし口座の変更は、「口座振替依頼書」の提出が必要です。
以下のいずれかの方法で提出します。

1. 金融機関の窓口に提出

電力会社が指定する金融機関に用紙が設置してあるので、記入して窓口に提出しましょう。手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 通帳
  • 通帳で使用している印鑑
  • 請求書や領収書などお客様番号の記載されている書類
2. 郵送して提出

用紙をガス会社からの郵送で入手します。必要事項を記入した後、ガス会社へ郵送して提出します。

2-3. LPガスの契約変更

自由料金のLPガスの手続き方法については、ガス会社ごとに異なります。電話で問い合わせをするか、ホームページを確認してみましょう。

解約の手続き

LPガスは、解約したい日の10日~1週間前までに依頼しなければなりません。「解約を申し込んでから撤去する日まで相当期間を空けなければならない」という規則があるためです。

インターネットで依頼できる場合もありますが、ほとんどが電話での問い合わせになります。電話番号は請求書に記載されていますが、見つからない場合はガスボンベを確認してみましょう。

LPガスの使用停止の手続きは立ち合いが必要です。撤去する際に、5,000~10,000円程の解約料が発生する場合もあります。あまりにも高額な解約料を請求された場合は、消費者センターに問い合わせましょう。さらに違約金を請求されるケースもあるので契約書を確認し、すぐに支払わないように気をつけましょう。

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

まずは電話での問い合わせをしましょう。電話番号は請求書に記載されていますが、見つからない場合はガスボンベを確認してみましょう。その後、郵送などで申し込み用紙が送られてきます。必要事項を記入して送り返しましょう。

申し込み用紙以外にも書類が必要な場合があります。詳しくは契約しているガス会社に確認してください。

2-4. 水道の契約変更

水道は各自治体が運営している各地の水道局が管理しています。水道料金の請求書や領収書に管轄の水道局が記載されているので、確認しましょう。また、手続きの際には請求書や領収書などに書いてある「お客様番号」を聞かれる場合があります。手元に用意しておきましょう。

解約の手続き

解約手続きは電話ですることができます。電話の場合は受付時間が決まっているので気をつけましょう。水道局によってはインターネットで手続きできる場合もあるので、管轄の水道局のホームページもチェックしてみましょう。

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

名義変更の手続きは電話で行います。自治体によってはインターネットで手続きできる場合もあるので、ホームページを確認しましょう。

引き落とし口座を変更する場合は、以下のいずれかの方法により「口座振替依頼書」の提出が必要です。

1. 金融機関の窓口に提出

電力会社が指定する金融機関に口座振替依頼書の用紙が設置してあるので、記入して窓口に提出しましょう。手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 通帳
  • 通帳で使用している印鑑
  • 請求書や領収書などお客様番号の記載されている書類
2. 上下水道局お客様サービスセンター窓口に提出

上下水道局お客様サービスセンターの窓口でも提出が可能です。手続きに必要なものや方法は、金融機関で行う場合と同じです。

3. 郵送して提出

まず、水道局に依頼して口座振替依頼書を郵送してもらいます。必要事項を記入した後、水道局へ書類を郵送して提出します。

2-5. NHK受信料の契約変更

NHK受信料の契約変更は全国共通で、電話やインターネットで行います。

解約の手続き

解約の手続きは電話で行います。NHKふれあいセンターに問い合わせましょう。

受信料関係のお問い合わせ先(NHKふれあいセンター) (外部リンク)

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

名義変更は電話やインターネットで行うことができます。電話の場合は上記のNHKふれあいセンターへ問い合わせましょう。インターネットでの手続きは下記のサイトから行うことができます。

NHK放送受信料 契約者氏名変更のお手続き (外部リンク)

引き落とし口座の変更手続きは、インターネットまたは郵送で行います。詳しくは以下のサイトを確認してください。

NHK 口座振替への変更のお手続き (外部リンク)

2-6. 固定電話の契約変更

固定電話の場合は、電話加入権があるかないかで手続きが変わります。電話加入権がある場合は、解約か名義変更を行います。電話加入権がない場合は名義変更ができず、解約になります。

解約の手続き

解約はお住まいの地域のNTTに電話での手続きとなります。 NTT東日本の場合は、インターネットからでの手続きも可能です。詳しくは以下のサイトで確認してください。

ご契約者がお亡くなりになられた場合の解約(NTT東日本) (外部リンク)
ご契約者がお亡くなりになられた場合の解約(NTT西日本) (外部リンク)

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

電話加入権があり引き続き固定電話を使用する場合は、名義変更を行わなければなりません。必要な書類と共に「電話加入権等承継・改称届出書」を郵送で提出します。
郵送する書類は以下の通りです。

  • 電話加入権等承継・改称届出書
  • 戸籍謄本や戸籍抄本など故人と相続人の関係を確認できる書類

「電話加入権等承継・改称届出書」のダウンロードや提出する書類など、詳しくは以下のサイトを確認してください。

参考

2-7. 携帯電話の契約変更

さまざまな携帯電話会社がありますが、いずれにしても契約変更をするためには、契約している携帯電話会社のショップへ行く必要があります。

気をつけなければならないのが、契約内容です。契約内容によっては解約時に違約金が発生する場合もあります。手続きを行う前に違約金がかかるかどうか、かかる場合はどれぐらいかかるのか必ず確認しましょう。違約金の額によっては、承継をして、しばらく経ってから解約した方が、料金がかからないこともあります。

解約の手続き

解約の手続き方法は、契約している携帯電話会社のショップで行います。

携帯電話会社ごとに異なりますが、主に必要なものは以下のとおりです。

  • 死亡診断書のコピーなど死亡の事実が確認できる書類
  • 携帯電話本体
  • UIMカード、auIDカード、USIMカードといった携帯電話のICチップ、SIMカード
  • 届出人の身分証明書
  • 印鑑

主な携帯電話会社の詳しい解約方法や注意点については、以下のサイトを確認してください。

参考

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

故人の携帯電話を相続人が引き継いで使用する「承継」の手続きも、契約している携帯電話会社のショップで行います。

携帯電話会社ごとに異なりますが、主に必要なものは以下のとおりです。

  • 戸籍謄本など故人との相続関係が確認できる書類
  • 相続人の身分証明書
  • 新たに支払いの手続きに必要なもの(「預金通帳かキャッシュカード」または「クレジットカード」)
  • 印鑑

主な携帯電話会社の詳しい承継の手続きや注意点については、以下のサイトを確認してください。

参考

2-8. インターネット回線、プロバイダの契約変更

インターネット回線の契約変更をする場合は、利用しているサービスにもよりますが、回線(光回線やケーブルテレビ回線)とプロバイダ(接続事業者)の両方の手続きが必要なケースが多いでしょう。集合住宅などであらかじめ引いてある無料の回線や固定電話の回線を利用していた場合は、プロバイダのみの手続きになります。領収書や契約書を確認し、故人が契約していた会社を調べましょう。

解約の手続き

解約方法は各会社で異なりますが、多くの場合が電話での問い合わせになります。その後、手続きの用紙が郵送されるので、必要事項を記入して送り返します。詳しい手続きについては、契約している会社のホームページを確認したり、電話で問い合わせたりしましょう。契約内容によっては、解約時に違約金が発生することがあります。機器をレンタルしている場合は、返却する際に送料がかかることもあります。

名義変更・引き落とし口座の変更の手続き

会社によっては名義変更ができない場合や、手続きの際に手数料がかかることもあります。 名義変更の方法は各会社で異なりますが、多くの場合が電話での問い合わせになります。その後、手続きの用紙が郵送されるので必要事項を記入し、必要書類を同封して送り返します。

契約会社ごとに異なりますが、手続きに必要な書類は以下のとおりです。

  • 戸籍謄本など故人との相続関係が確認できる書類
  • 相続人の身分証明書
  • 法定相続人であることを証明する書類(個人番号を記載していない住民票など)
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3. チェックリスト

公共料金等の契約変更手続きは、落ち着いたらすみやかに行いましょう。 以下のチェックリストを使って、手続きが完了しているか確認しましょう。


公共料金等の必要な手続きチェックリスト