福田康夫元首相(90歳)が10月22日に亡くなったと26日に報じられ、通夜・葬儀は近親者のみで密葬として行い、後日あらためて本葬を開く予定とされています。心よりご冥福をお祈りいたします。この記事では、この報道をきっかけに関心が集まる「密葬」と「本葬」の違いを、家族葬・社葬・お別れの会との関係とあわせて、一般的な情報として整理します。
福田康夫元首相の訃報から考える、密葬と本葬の違い|家族葬・社葬・お別れの会との関係と、案内が届いたときの対応
福田康夫元首相の訃報で注目された「密葬」と「本葬」とは
福田康夫元首相が2026年10月22日に90歳で亡くなったと、26日に時事通信などが報じました。報道によると、通夜・葬儀は近親者のみで密葬として執り行い、後日あらためて本葬を開く予定とされています。心よりご冥福をお祈りいたします。
この報道をきっかけに、「密葬とはなにか」「本葬とはどう違うのか」と調べる方が増えています。この記事では、特定の方の葬儀の内容に立ち入るのではなく、密葬・本葬という言葉の意味と、ご自身やご家族の葬儀を考えるときに知っておきたい一般的なポイントを整理します。
あわせて、密葬のあとに「本葬」「お別れの会」「偲ぶ会」の案内が届いたときの対応も、参列する側の立場で解説します。
この記事でわかること
- 密葬と本葬の意味と、2つの関係
- 家族葬・社葬・お別れの会・偲ぶ会との違い
- 密葬から本葬までの一般的な流れ
- 密葬の段階での香典・弔問・連絡の考え方
- 本葬やお別れの会の案内が届いたときの服装・香典・出欠の返事
- 本葬を行わないという選択と、遺族が先に決めておきたいこと
密葬・本葬・家族葬・社葬・お別れの会の違い
「密葬」「本葬」「家族葬」「社葬」「お別れの会」は、似た場面で使われるため混同されがちです。法律で厳密に定義された言葉ではなく、葬儀社や地域によって使い方が少しずつ異なる点にご注意ください。ここでは、一般的な使われ方を整理します。
葬儀の呼び方と、一般的な意味(目安)
| 呼び方 | 一般的な意味 |
|---|---|
| 密葬 | 近親者など限られた人だけで、先に行う葬儀。後日の本葬を前提とすることが多い |
| 本葬 | 密葬のあとに、関係者や知人を広く招いて行う正式な葬儀 |
| 家族葬 | 家族や親しい人だけで行う葬儀。後日の本葬を前提としないことが多い |
| 社葬・団体葬・合同葬 | 会社や団体が主体となって行う葬儀。密葬のあとに営まれることがある |
| お別れの会・偲ぶ会 | 火葬後に、宗教色を抑えて関係者を招く場。形式は主催者しだい |
密葬と家族葬の違いは「その後」にある
参列する人数だけを見ると、密葬と家族葬は近い形です。違いは、後日に本葬など広く告別する場を設けるかどうかにあるとされています。密葬はもともと、後日の本葬を前提として、まず近親者だけで見送る形でした。一方で家族葬は、それだけで葬儀を完結させる前提で選ばれることが多い形です。
ただし、近年は「内々で行う葬儀」を家族葬、「後日に関係者を招く場」をお別れの会・偲ぶ会と呼ぶことが増え、密葬・本葬という言葉の使い方も変わりつつあります。報道や案内状では、言葉の厳密さよりも、「いつ・誰が・どこで行うか」の記載を確認するのが確実です。
本葬と社葬は同じ?
本葬は「密葬の後に行う正式な葬儀」を指す言葉で、主催者は遺族の場合も、会社・団体の場合もあります。会社や団体が主体になる場合は、社葬・団体葬・合同葬と呼ばれます。経営者や政治家、文化人など、広い関係者がいる方の葬儀で、先に近親者で密葬を行い、後日に本葬や社葬を営む例が知られています。
密葬から本葬までの一般的な流れ
密葬から本葬までの流れは、故人や関係者の状況によって大きく異なります。次の図は、あくまで一般的な一例です。

本葬の時期に、全国共通の決まりはありません。「四十九日までに」「一周忌までに」など、遺族や主催者が準備期間と関係者の都合をふまえて決めます。そのため、案内状や公式発表で日程を確認する必要があります。
1. ご逝去から密葬まで
ご逝去後は、まず近親者に連絡し、葬儀社と日程や形式を決めます。密葬では、通夜・葬儀・火葬までを近親者のみで行います。この段階では、会社関係者や友人・知人には、あえて連絡しない場合もあります。
2. 訃報の公表(お知らせ)のタイミング
訃報をいつ公表するかは、遺族が判断します。密葬を終えてから公表する場合もあれば、亡くなった事実を先に伝え、「葬儀は近親者のみで行います」と添える場合もあります。葬儀を終えてから公表する弔いのかたちについては、「葬儀を終えてから公表する」という弔いのかたちでも解説しています。
3. 本葬・お別れの会の開催
後日、会場や日時が決まったら、関係者へ案内状などで知らせます。案内状には、服装(平服の指定など)、香典や供花の扱い(辞退するかどうか)、会費の有無、出欠の返事の期限などが記載されます。
密葬の段階での香典・弔問・連絡の考え方
密葬が近親者のみで行われるとき、参列を控えている側の方は、気持ちが先走って弔問や香典を送りたくなるかもしれません。ここでは、一般的な考え方を整理します。
香典は、遺族が受け取るかどうかを決める
香典を受け取るか辞退するかは、喪主や遺族が決めることです。辞退する場合は、その意思を訃報の連絡や案内状で明確に伝えるのが望ましいとされています。受け取る場合は、香典返しの準備が必要です。辞退の連絡があるのに送ってしまうと、遺族の負担を増やすことになるため、案内の内容を優先してください。
弔問・訪問は控え、連絡を待つ
近親者のみで行うと伝えられている場合は、自宅や斎場への弔問・訪問は控え、遺族からの連絡を待つのが基本です。弔意を伝えたいときは、メッセージや弔電など、遺族の負担になりにくい方法を選びます。参列できないときの弔意の伝え方は、家族葬に参列できないときの弔意の伝え方も参考にしてください。
葬儀が終わってから知ったときは
密葬のあとに訃報を知った場合も、香典や弔問の扱いに迷うことがあります。対応の順番は、葬儀が済んだあとに訃報を知ったときの対応で詳しく整理しています。
本葬・お別れの会の案内が届いたときの対応
密葬のあとに、本葬やお別れの会、偲ぶ会の案内が届いたら、案内状の記載に従って準備するのが基本です。
案内状で確認する項目と、一般的な目安
| 確認すること | 一般的な目安 |
|---|---|
| 服装 | 「平服で」とあっても喪服は不要。男性はスーツ、女性は控えめな色味のシンプルな服装が目安 |
| 香典・供花 | 辞退の記載があれば不要。記載がなければ、通常の葬儀と同様に用意する場合が多い |
| 会費 | 会費制の場合は、案内状に金額が記載される |
| 出欠の返事 | 期限までに返す。欠席でも一言添えると丁寧 |
香典の表書きは、宗教色の有無で変わる
お別れの会や偲ぶ会は、宗教色のない形式をとることが多いとされます。そのため、表書きは「お香典」「御香資」「お花料」などが使われます。仏式の場合は「ご仏前」が適切とされます。迷うときは、会の主催者に確認するか、案内状の記載を優先してください。
参列できないときは
遠方や都合で欠席する場合は、期限までに欠席の返事をします。香典を辞退していなければ、現金書留で送る方法もあります。弔電を送る場合は、会の開始前に届くように手配します。
本葬を行わないという選択と、遺族が先に決めておきたいこと
近年は、密葬(あるいは家族葬)だけで見送りを終え、本葬を行わないケースも多いと言われています。後日の本葬は、準備や費用、参列者への対応など、遺族の負担が大きくなるためです。
一方で、故人が仕事や地域活動で広く知られていた場合は、「お別れの機会がほしい」という声が寄せられることもあります。その場合は、本葬ではなく、規模や形式を選びやすいお別れの会・偲ぶ会として開く方法もあります。家族葬のあとに故人を偲ぶ方法は、家族葬のあとに故人を偲ぶ方法も参考にしてください。
密葬を選ぶとき、先に決めておきたいこと
| 決めること | 考えるポイント |
|---|---|
| 後日の本葬・お別れの会 | 行うのか、行わないのか。行うなら誰が主催するか |
| 訃報を知らせる範囲 | 密葬の前・後のどちらで、誰に伝えるか |
| 香典・供花 | 受け取るか、辞退するか。伝え方をそろえる |
| 問い合わせの窓口 | 連絡を受ける人を決め、対応を統一する |
とくに、近親者以外から問い合わせが来たときの返答は、あらかじめ家族で話し合っておくと慌てずに済みます。親の「もしも」の話を切り出すときは、親の終活との向き合い方も参考にしてください。
密葬のあとの遺骨は、どうする?
密葬で火葬を終えたあと、本葬やお別れの会が営まれるまでの間、ご遺骨をご自宅で安置するご家庭もあります。そのまま四十九日、納骨と進む場合もあれば、「しばらく手元で供養したい」と考える方もいます。
ご遺骨の行き先は、お墓への納骨だけではありません。自宅に置いて供養する手元供養、樹木葬、散骨、永代供養など、いくつかの選択肢があります。比較したいときは供養方法の比較も参考にしてください。お墓や納骨の時期を急いで決めなくてもよい、と知っておくだけでも、気持ちに余裕が生まれます。
よくある質問
Q. 密葬は「秘密の葬儀」という意味ですか?
いいえ。密葬の「密」は、内々で行うという意味で、秘密にするという意味ではありません。ただし、参列者を限るため、訃報を広く知らせないことが多い形です。
Q. 密葬には香典を送ってもよいですか?
遺族が香典を受け取るかどうかによって異なります。辞退の意向が示されている場合は、送らないのがマナーです。意向が分からないときは、案内を待つか、親族に確認すると安心です。
Q. 本葬は、必ず行うものですか?
必ずではありません。密葬だけで終えるケースも多く、後日に行う場合も、本葬ではなくお別れの会・偲ぶ会の形式を選ぶことがあります。遺族や主催者の考えによって決まります。
Q. 「平服でお越しください」と書かれていたら、何を着ればよいですか?
喪服を着る必要はありませんが、普段着ではなく、男性はスーツ、女性は控えめな色味のシンプルな服装が目安です。派手な色や華美なアクセサリーは避けます。
Q. 密葬から本葬までは、どのくらい空けるものですか?
全国共通の決まりはありません。準備の期間や関係者の都合に合わせて、主催者が決めます。案内状や公式発表で日程を確認してください。
Q. 密葬のあと、訃報を知らせていなかった人にはどう伝えればよいですか?
密葬を終えたあとに、葬儀を近親者のみで済ませたこと、故人への生前のお付き合いへの感謝を、はがきや電話、メールなどで簡潔に伝えます。あわせて、香典・供花・弔問を辞退するかどうかも明記すると、相手が迷わずに済みます。
Q. 勤務先や取引先には、どう伝えればよいですか?
勤務先には、まず忌引きの連絡とあわせて、葬儀は近親者のみで行うこと、会社としての弔問・香典・供花の扱いを伝えます。会社の規定や、後日に社葬・お別れの会を行うかどうかによって対応が異なるため、上司や総務担当と相談して決めてください。
まとめ|言葉の意味を知っておくと、見送りの形を選びやすくなる
密葬は「近親者のみで先に行う葬儀」、本葬は「後日、関係者を広く招いて行う正式な葬儀」というのが、一般的な使われ方です。ただし、近年は家族葬とお別れの会・偲ぶ会を組み合わせる形が増え、言葉の使い方は変わりつつあります。
案内を受け取る側は、案内状に書かれた服装・香典・出欠の指示に従えば、大きく外すことはありません。見送る側になるときは、後日の本葬の有無、訃報の範囲、香典の扱いを、家族で先に話し合っておくことが大切です。
出典・参考資料
- 時事通信「福田康夫元首相が死去、90歳=洞爺湖サミットで議長」(2026年10月26日配信、nippon.com掲載)
- ALSOK「密葬とは?家族葬との違い、費用や香典、マナーを解説」
- All About「お別れの会・偲ぶ会」の解説記事
- All About「密葬」の解説記事
- ミツモア「社葬とは?個人葬との違い、流れ、費用、香典」
- チェスター「家族葬の香典・費用の考え方」
※最終確認日:2026年10月26日。訃報に関する記述は、報道で確認できる範囲にとどめています。
ご遺骨を、ご自宅でゆっくり見守るという選択
密葬のあと、納骨を急がず、しばらくご自宅で供養したいというご家庭もあります。自宅納骨・手元供養は、お墓がなくても始められる供養のかたちです。ご遺骨の行き先を考えるきっかけに、ご覧ください。
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