令和版お寺との付き合い方!新しい檀家制度、お寺の取り組みに注目

日本のお寺の数は全国で7万以上。6万に達していないコンビニよりも多いことをご存知でしょうか。毎日1回はコンビニで買い物する方はたくさんいますが、頻繁にお寺に通う方はそういないのになんだか不思議に感じますね。しかし、裏を返せばお寺の数の多さは、それだけお寺が必要であったということ。かつて日本人全員が菩提寺を持ち、必ずどこかのお寺の檀家だった時代が長く続いていました。

檀家制度は強制的な制度としては廃止されて、現在の日本人の価値観や生活も大きく変化していますが、習慣としては今でも檀家制度は残っています。これを重荷に感じる人も増えています。先祖代々のお墓を守るのも大変ですし、葬儀の際の高額なお布施や寄付金も納得できない方が多くいます。

そんな中、お寺自体が檀家の方に限らず、地域の人々との新しい付き合い方を模索する動きがあります。今回はそうしたお寺の新しい取り組みをご紹介します。今後お寺とどのような付き合い方があり得えるのか。考えていく上での参考にしてください。

index 目次
  1. 1. 令和のお寺のスタイル
    1. 1-1. 築地本願寺ラウンジ
    2. 1-2. 真如寺の新しいお寺のカタチ
  2. 2. 令和の交流の場としてのお寺改革
    1. 2-1. レトルトカリー寺
    2. 2-2. お寺ステイ
  3. 3. 斬新なお寺での試み
    1. 3-1. 手紙寺
    2. 3-2. おてらのでんき
    3. 3-3. 炎上供養
    4. 3-4. イケメン官能絵巻
    5. 3-5. ボードゲーム檀家-DANKA-
  4. 4. お寺からの情報発信ページ
    1. 4-1. 彼岸寺
    2. 4-2. お寺ネット
    3. 4-3. 他力本願.net

1 令和のお寺のスタイル

葬儀や法事、お墓の相談をしたくても、お寺には気軽に聞けない。聞ける雰囲気ではない。そう感じている方も少なくないことと思います。人々を招き入れ、親切に対応しているオープンな感じがするお寺は少ないものですね。しかし、お寺もそうした状況を良しとしているわけではありません。以下のように、新たなあり方を展開しているお寺も増えてきています。

1-1 築地本願寺ラウンジ

歴史ある築地本願寺(浄土真宗本願寺派)の現宗務長は元銀行マンという異色の経歴を持つ人物。本願寺派の約半分が年間の収入が300万円に届かず、お寺の修繕も難しいという状況を踏まえ、ビジネス的な視点から改革を行っています。それが「築地本願寺ラウンジ」です。具体的な内容は以下の通り。宗務長の経験が活かされた、人々のニーズに寄り添い、お寺自身の役割の利便性を高めた内容となっています。

1.コンタクトセンター

葬儀やお墓、法事、お布施についての質問をフリーダイヤルで受け付け。各種申込も可能。

2.僧侶紹介

築地本願寺や近隣の寺院の僧侶を必要に応じて派遣。

3.人生サポート

葬儀のことだけではなく、相続、法律相談、遺言書や自分史作成、資金計画などの相談を受付け。

築地本願寺ラウンジ
https://tsukijihongwanji-lounge.jp/ (外部リンク)

1-2 真如寺の新しいお寺のカタチ

愛知県蒲郡市の真如寺(浄土宗西山深草派)のホームページには「真如寺のホームページにようこそ」とあります。さらに、「お寺で出会い、お寺で楽しみ、笑顔になる。笑顔が御利益。」という文言が。その言葉通り、葬儀や法事だけではなく、ユニークなチャリティ活動や、季節や行事ごとのオリジナル御朱印など多くの方に親しみやすく楽しめる試みを行っています。

特殊なイベントだけではなく、お寺での葬儀も分かりやすくリーズナブルに案内。「お寺葬」は真如寺で営む葬儀がお布施込みの葬儀費用490,000円。檀家になる必要はなく、宗旨宗派も問わず葬儀ができます。その他、墓地、永大供養墓もはっきりとした金額で案内しています。お布施込みで費用を提示してくれるのは、ありがたいですね!

真如寺「新しいお寺のカタチ」
https://shinnyoji.com/ (外部リンク)

2 令和の交流の場としてのお寺改革

現在、多くの方にとってお寺の敷居は高く、親しみを感じる場所ではありません。そのことがお寺から人々を遠ざける一因です。宗教としての役割や伝統を大切にしながらも、お寺をより身近に感じてもらい、頼ってもらえるよう、以下のように新たな試みを自ら行っているお寺もあります。

2-1 レトルトカリー寺

兵庫県尼崎市の若い女性僧侶が全国各地のお寺で開催している地域づくりの活動。日本人に愛される国民食カレーにあやかり、日々の生活にお寺を親しく感じてもらおうという取り組みです。イベントでは独自に開発したレトルトカレー「カリー寺@尼崎」を湯煎して地域の方々と食べ、ワークショップや地域の人々との交流を行っています。その他に、お寺同士のネットワーク作りや、防災意識の啓発活動などの取り組みも。
お寺というと、観光以外は若い方には縁がないイメージですが、こうした取り組みなら若い方も参加しやすそうです。

レトルトカリー寺
https://www.facebook.com/prepackagedcurrytemple/ (外部リンク)

2-2 お寺ステイ

お寺での宿泊、ヨガ、写経、座禅などの体験を提供しています。お寺ならではの静かに自分と向き合える環境の下、集中力や思考力を高め、感性を磨くことも。希望のお寺をネットで予約できます。

宿泊してもらうことでお寺が収入を得るだけではなく、大きな目的はお寺に対し理解を深めてもらい、新しい人々との関わりを模索することです。地域交流、文化発信の場として新たなコミュニティ作りに挑戦しています。

お寺ステイ
https://oterastay.com/ (外部リンク)

3 斬新なお寺での試み

お寺に関わる今までなかった新しい試みも増えてきています。まだまだ広く知られていないものもありますが、お寺に対して無関心だった方も興味を持つきっかけになりそうです。

3-1 手紙寺

年賀状のやり取りをしない方も増え、そもそも紙に文字を書くという機会も減ってきていますが、あえて手紙に着目したのが手紙寺。代表理事長である證大寺の住職が、お父さんが亡くなった際、お父さんに対して手紙を書くことで自分の心を慰め、後にみつかったお父さんからの手紙で励まされたことから発想したそうです。

現在、東京、千葉、埼玉の4カ所に落ち着いて手紙を書くスペースである手紙処を設置。そこで、亡くなった大切な人へ、自分が亡くなった際にこの世に残す大切な人へ手紙を書きます。手紙だけではなく、写真や思い出の品を納める手紙箱を用意。それは手紙寺で保管され、いずれ大切な相手に届けられ、亡くなった後にも大切な想いをきちんとした形で伝えることができます。

長く患っていても死は突然で、多くの方が動揺します。精神的ケアを事前に準備する意義は思ったよりも大きいかもしれません。

手紙寺
https://tegamidera.jp/ (外部リンク)

3-2 おてらのでんき

自由化に伴い様々な企業が電気ビジネスに参入していますが、電気ビジネスとお寺の地域貢献、地域活性化の活動を掛け合わせたのが「おてらのでんき」。今のところ中国電力管内のみのサービスですが、なかなかユニークです。

おてらのでんき(TERA Energy株式会社)と契約すると、毎月支払う電気料金の一部がお寺の護持や地域活動に寄付されます。TERA Energyは各お寺の活動事例を共有し、お寺の活動をサポート。電気料金を通じて地域とお寺が支え合っていくという試みです。

どうせ電気料金を支払うなら社会貢献を兼ねて…という方もいるのではないでしょうか。毎月の電気料金なのでお寺にとって確実な収入源ですし、地域との関わりを模索する良いきっかけになるかもしれません。

おてらのでんき
https://tera-energy.com/ (外部リンク)

3-3 炎上供養

源義経や謙信公も訪れたと言われている歴史ある越後最古の古刹「国上寺」では、SNSなどでネット上のトラブル、いわゆる“炎上”を供養してくれます。お寺での「柴燈大護摩火渡り大祭」で、炎上の内容を撫木に書き込んでお焚き上げをし、実際に供養するとのこと。

国上寺では炎上供養専用サイトを開設し、日々炎上の投稿を募っており、大祭では今年の炎上キーワードを発表するそうです。

炎上供養
https://www.kokujouji.com/kuyou/ (外部リンク)

3-4 イケメン官能絵巻

ところで上記炎上供養専用サイトの国上寺は、それとは別に、本堂の壁に取り付けた偉人官能絵巻でも話題になったお寺です。この壁画はイケメン仏画で世界的にも著名なアーティスト・木村了子氏の作品で、楽しそうに温泉に入る裸体の源義経や謙信公などが描かれています。

山田住職によると、イケメン官能絵巻の設置の目的は「若者や女性の寺離れに歯止めをかけるため」とのこと。実際に設置後参拝者はこれまでの4倍ほど増えたそうです。越後最古の古刹をしてそれほど寺離れの問題を深刻に受け止めている理由は、300年以上前に建てられた本堂の老朽化という問題があるから。50年後に建て替えの方針だが、その費用は今の見積もりで15億円。国上寺の本堂は文化財に指定されているため、建て替えの際には補助金がでるが、それで到底賄える金額ではありません。市教育委員会はイケメン官能絵巻の設置を不許可としているようですが、国上寺では文化財の指定を外されてもかまなわいと設置を続けています。

炎上供養にしても、イケメン官能絵巻にしても、お寺がここまで?と感じますが、お寺はお寺で存亡をかけて知恵をしぼり、ぎりぎりの選択に迫られているという現実があります。また、SNSなどによると世間の反応はイケメン官能絵巻に対し賛同する声が多く、2020年4月17日から5月11日までの12年に一度の御開帳に向けて注目を集めるという目的は果たしたと言えそうです。

因みに、イケメン官能絵巻が本堂の外壁に設置した状態で見られるのは御開帳を終わる頃まで。屋外の設置では痛みが激しいため、その後は撤去されるそうです。引き続き観覧できるよう希望する声もあるので、その後、屋内での設置が行われるかもしれません。

国上寺/御開帳特別拝観のご案内
https://kokujouji.com/gokaicho/ (外部リンク)

3-5 ボードゲーム檀家-DANKA-

お寺のことをより広く、楽しみながら知ってもらうために作られたユニークなボードゲーム。その名も「檀家-DANKA-」。プレイヤーはお寺の住職になり、日頃のお勤めによってできるだけ多くの檀家(ファン)を獲得することを競うゲームです。荘厳、諸行無常などの言葉も登場し仏教の勉強になりますし、なにより実はお寺の仕事が思ったよりも多岐に渡っていることが分かり、お寺の苦労を体験でき親しみを感じそう。イラストも可愛らしく、1回遊べば内容はだいたい理解できるので、家族で遊んでみるのも良さそうです。

ボードゲーム檀家-DANKA-
http://www.puninokai.com/danka/ (外部リンク)

4 お寺からの情報発信ページ

全国各地のお寺のイベントやネットを介した人生相談に興味のある方はこちら。たくさんの情報が提供されています。

4-1 彼岸寺

仏教を語り、集う場としてインターネット上に存在するお寺である彼岸寺。浄土真宗本願寺派の僧侶が運営しています。仏教についてのコラム、イベントの記事、仏教に関する書籍の紹介など広く寄稿を募集しています。

現代を生きるお坊さんが考えていることや、分かりやすい仏教の知識、イベントの情報が得られ、仏教の今が分かります。

彼岸寺
https://higan.net/ (外部リンク)

4-2 お寺ネット

特定非営利活動法人(NPO法人)かけいこみ相談センターが、宗派をこえて大勢の僧侶の協力を得て運営している人生相談・仏事相談サイト。

人生の様々な場面で困りごとに見舞われている方、心の疲れを感じている方の人生相談、仏事に関する相談などを無料で受け付けています。ネット上の他の相談サイトと同じように有用な回答が得られない場合もあるようですが、匿名で気軽に吐き出せる場であり、お坊さんさんからの返信があるのがポイントです。

お寺ネット
https://otera.net/ (外部リンク)

4-3 他力本願.net

お坊さんが各地で行っているイベントや、お坊さん自身へのインタビュー、仏教語の豆知識解説、精進料理の紹介、人生相談など、多様なコンテンツがある他力本願.net。

様々な視点のコンテンツがあり、アイデア満載なので、仏教に特別興味のない方でも楽しめる内容になっています。

他力本願.net
http://tarikihongwan.net/ (外部リンク)

今回お寺の様々な試みを調べた結果、これまでお寺に感じていた閉鎖的な冷たいイメージはかなり払拭されました。ポジティブにお寺と関わりを持つことで世界は広がり、新たな人との関わりや、精神的な慰める得られる可能性は確かにありそうです。お寺は葬儀やお墓参りだけではありません。私達もお寺に対する見方を変える必要がありそうです。

Text by:AY
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  • 思い切って手放したい
  • 場所をとるのをどうにかしたい
  • お墓や納骨堂、意外と高いな・・・
  • 部屋に置いておくには、
    骨壺の見栄えがちょっと・・・
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こんな方は・・・

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