以前はお墓に納骨して供養するのが一般的でしたが、最近は供養の方法も多様化しています。今回は遺骨や遺灰を身近に置いて供養する手元供養の一つである「メモリアルジュエリー」をご紹介します。常に身に着けられるメモリアルジュエリーは、故人だけではなくペットの供養方法としても注目されています。種類や相場、メリット・デメリットを確認してみましょう。
遺骨が真珠やサファイアに変身?メモリアルジュエリー―身に着けられる手元供養品
1. メモリアルジュエリーとは?
メモリアルジュエリーとは手元供養品の一つで、亡くなった家族やペットの遺骨・遺髪・遺灰などをアクセサリーに納めたり、加工してジュエリーを制作したりする方法です。一般的なジュエリーと見た目は変わりないので、普段から身に着けておくことができます。遺骨を加工してジュエリーを作る場合は、注文後に自宅へ届く専用の容器へ指定された量の遺骨を入れて業者へ郵送します。また、使用されなかった遺骨は遺族の元へ返されます。
2. メモリアルジュエリーの種類と相場
メモリアルジュエリーは、遺灰をアクセサリーに収納するタイプや遺骨を入れて樹脂で固めるタイプ、遺骨を利用してジュエリーを作るタイプなどさまざまな種類があります。メモリアルジュエリーの種類と相場についてチェックしてみましょう。
2-1. 遺灰・遺骨をジュエリーに収納するタイプ
遺灰や粉状にした遺骨を納めるインナーポケットがアクセサリーに付いているタイプです。専用の器具を使ってポケットのネジを外し、少量の遺灰・遺骨をアクセサリー内に納めます。 ハート型、しずく型、クローバー型、パール型などさまざまな形状があり、シルバーやゴールドなど金属の種類も豊富です。ネックレスやリング、ブレスレットなど好きなタイプのアクセサリーも選ぶことができます。インターネットからも購入可能で、2万円程度から販売されており、比較的安価なジュエリーです。
2-2. 遺骨を入れて樹脂で固めるタイプ
微量の遺骨を樹脂で硬化させて、ペンダントやリングの貴金属と一体にします。水や衝撃に強く劣化しにくいのが特徴で、約8万~20万円が相場です。
2-3. ダイヤモンドタイプ
遺骨や遺灰に含まれる炭素を利用して作る合成のダイヤモンドです。高度な技術が必要なため、スイスやアメリカの工場へ遺骨・遺灰を送って制作しなければなりません。ダイヤモンドが完成した後、日本でジュエリー加工するためさらに6か月ほど制作期間が必要です。費用は30万円程度~で、カラット数やカラーにより大きく変わり、100万円以上かかることもあります。
2-4. サファイアタイプ
少量の遺骨からカルシウムを抽出し、天然のサファイアと融合させて作るジュエリーです。日本国内で作成可能ですが、完成まで3か月ほど期間が必要です。カラット数によりかかる費用は変わりますが、25万~70万円程度かかります。
2-5. 真珠タイプ
遺骨を原料としたセラミック核を貝の中に入れて真珠を作る方法です。5~7月に核入れを行うため、核入れ時期に近い場合は注文を受け付けてもらえない場合もあります。12月頃に浜揚げして真珠を取り出し、ジュエリー加工して納品となります。相場は30万円程度です。
2-6. 麗石(れいせき)
遺骨と石英などを高温で融解し、ゆっくり冷却させながら結晶化させてできる人工宝石です。透明度はありませんが、天然石にはない色・模様が特徴です。非常に高い強度があり、ペンダントやリング、数珠などに加工して身に着けることができます。相場は15万~30万円程度です。
文字刻印も可能なペンダント(しずく型)
麗石が親玉になっているブレスレット
全12色の中から選べるネックレス
3. メモリアルジュエリーのメリット・デメリット
メモリアルジュエリーのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
3-1. メリット
亡くなった家族・ペットを身近に感じられる
メモリアルジュエリー普段から身に着けられるため、亡くなった家族やペットをそばに感じることができます。一緒にいるという安心感から喪失感が緩和され、グリーフケアにもなります。亡くなった方を偲びつつ、心穏やかに生活を送ることができるでしょう。
普段から身に着けられる
メモリアルジュエリーは種類やデザインが豊富で、一般的なジュエリーと見分けがつきません。普段から身に着けることが可能です。
供養になる
お墓が遠方にあってすぐに墓参りができない場合や仏壇がない場合でも、手元にメモリアルジュエリーがあれば故人を偲び、供養することができます。
3-2. デメリット
費用・制作期間がかかる
真珠タイプやダイヤモンドタイプなど、ジュエリーによっては制作期間が長くなります。またデザインやカラット数によっては、非常に高額になるケースもあります。
遺骨を使うのは一部のみ
メモリアルジュエリーに使用するのは遺骨の一部です。残りの遺骨は納骨したり、手元供養したりする必要があります。
お手入れ方法・使い方に注意する
お手入れ方法や使い方を間違えると、変色や変形が起きる可能性があります。大切な手元供養品ですので、ジュエリーにあったお手入れ・使い方をしましょう。
将来のことも考えておく
将来自分が死んだときに、保有するメモリアルジュエリーをどうするかも想定しておきましょう。ジュエリーを家族が形見として引き取りたい場合はいいのですが、不要な場合は処分に悩ませてしまう可能性があります。収納タイプの場合は遺骨を取り出して、本人の骨壺に納めましょう。遺骨を加工して作ったジュエリーは容易に捨てるわけにいかず、金属を含むジュエリーは保有者が亡くなっても一緒に火葬することができません。火葬後に保有者の骨壺にジュエリーを入れて納骨するか、本人の骨壺へジュエリーを入れて納めるといいでしょう。またお寺などに、手元供養品の処分について相談する方法もあります。
ご遺骨を美しい人工宝石に
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