お別れの会(偲ぶ会)に招待されたら?服装のマナー、会費・香典について

通夜、葬儀・告別式とは異なり、形式にとらわれずに行われるお別れの会(偲ぶ会)。かつては、故人が著名人や芸能人などで、大人数招いたセレモニーというイメージがありましたが、現在では一般の方にも広がっています。今後、出席する機会が増えてきそうなお別れの会。知っておくべきマナーや、会費・香典について解説します。

index 目次
  1. 1. お別れの会の意義
  2. 2. お別れの会の服装のマナー
    1. 2-1. 一般的な男性の服装
    2. 2-2. 一般的な女性の服装
    3. 2-3. フォーマルな会場でない場合の服装
  3. 3. お別れの会での会費と香典
    1. 3-1. 会費制の場合
    2. 3-2. 会費制でない場合
    3. 3-3. 会費制でなく、通夜・葬儀で香典を贈っている場合
    4. 3-4. 香典辞退の場合は無理に渡さないのがマナー
  4. 4. 思い出の品や写真を持参しよう
  5. 5. 主催者、遺族の気持ちを大切に

1 お別れの会の意義

通夜は元々故人と親しかった人が最後の夜を共にする儀式です。故人を邪霊から守るために、一晩中蝋燭とお線香の火を絶やさずに夜を徹して見守るという趣旨でした。現在では通夜は自宅ではなく、斎場や葬儀場で行われることもあり、夜通しではないことも多いですが、それでも、昔からの慣習や宗教的な儀式ではあります。また告別式は身内以外の故人とゆかりのあった人が別れを告げる儀式で、葬儀は故人の冥福を祈る宗教儀式です。

お別れの会はこれらと異なり、古くからの慣習や宗教儀式とは一線を画しています。開催する時期も、亡くなった直後ではなく、早くても葬儀が終わってから2週間後くらい。1ヶ月後、四十九日、一周忌に合わせる場合もあります。故人と仲が良かった方に集まってもらい、故人の思い出を語り合います。遺族にとっては生前お世話になった方に改めてお礼を申し上げる場でもあります。形式にとらわれず、故人への思いを刻みながら、遺された人たちが親交を深める意義の大きい会と言えます。

2 お別れの会の服装のマナー

お別れの会での服装は、会が行われる場所、案内に書かれている内容で判断しましょう。亡くなった方のための会なので、死を悼み、悲しみを表すための礼服である喪服であっても礼儀には反しません。しかし、会場がホテルなどの場合、他のお客様もいますし、同じ日にお祝い事のイベントが開催されることがあるため、ホテルより喪服の着用が禁止されることもあります。また、案内状に服装の指定があった場合、主催者の意向に添うことがマナーとして正しいと言えます。

身内や趣味の仲間、友達など、親しい人が集まる会の際は、喪服を着用しないことが多いようですが、判断つきかねる場合は、主催者に直接尋ねるようにしましょう。

2-1 一般的な男性の服装

男性の場合は、人数の限られたカジュアルな会でない限りはスーツがよいでしょう。色は黒、濃紺色、グレーなど、地味な色味で。シャツは白無地、ネクタイは必ず着用し、地味なものにしておくのが無難です。平服と案内がある場合、男性の平服はダークスーツのことを指します。靴、ベルト、バッグなども黒に統一し、派手なものは避けましょう。

2-2 一般的な女性の服装

一般的には、喪服に近い地味な色味で、落ち着いた品のあるものが良いでしょう。男性とは違い女性のほうが、ワンピース、アンサンブル、パンツのセットアップなど選択肢は広くありますが、いずれにしても、黒、濃紺色、グレーなどを選び、華やかなデザインのものやスカートの丈が短すぎるものなどは避けましょう。肌を露出する服装も避けましょう。アクセサリーはパールやブラックオニキスなどを選んでおくと良いでしょう。

2-3 フォーマルな会場でない場合の服装

お別れの会は自宅、職場、思い出の場所などで行われることもよくあります。ホテルや斎場と違い、「場所」としてはフォーマルなスタイルである必要性がさほどないかもしれません。主催者としても招待客にはリラックスして故人との時間を楽しんでほしいと考えているかもしれません。ならば、主催者の意図に添うのがマナーと言えます。例えば案内状に自宅で開催、普段着で来てほしいとある場合は、それに従いましょう。特に記載がなく、ふさわしい服装が分からない時は主催者に個別に聞いてみるとよいでしょう。

3 お別れの会での会費と香典

3-1 会費制の場合

お別れ会は会費制であることも多いようです。会費制の場合は、案内に金額が書いてあります。会場や料理などによって異なりますが、会費は人8,000~20,000円ほどが相場です。
会費は香典袋を用意する必要はありません。受付にお金のみ渡してもかまいません。

会費制であれば香典は不要と考えてよいでしょう。もし、通夜や葬儀に参列しておらず別途香典も包みたいということであればそれは自身の判断です。遺族が香典を辞退しているという場合には遺族の意向を尊重し無理に渡さないのがマナーです。

3-2 会費制でない場合

会費についての明記がなく、通夜や葬儀に参列しておらずまだ香典を一度も贈っていない、なおかつ遺族や主催者が香典を辞退してるわけでもない場合は、香典を持っていきます。一般的に金額は、会での飲食代金を勘案して、10,000~20,000円ほどです。

香典は、香典袋、あるいは、無地の白封筒に入れて渡します。表面には、御香典、御香料、御花料などと書き、自分の姓名も書いておきます。会費同様、受付に渡すことになりますが、通夜や葬儀・告別式とは違いますので、過度なお悔やみの言葉を添えるのではなく、ごく普通に手渡しするだけで大丈夫です。

3-3 会費制でなく、通夜・葬儀で香典を贈っている場合

香典を複数回渡すのは不運が重なるという悪いイメージにつながるため、あまりよくないこととされています。通夜や葬式に参列しており、その際に香典を既に渡している場合、香典は不要です。しかし、お別れの会の場合、食事が用意されていることもあり、香典の金額では十分だと感じられないかもしれません。その際は、香典ではなく、供物や供花という形で贈り物をすると良いでしょう。

3-4 香典辞退の場合は無理に渡さないのがマナー

「無料で飲食するのは…」「葬儀に出席しておらず香典を渡していないのに…」と心配になり、どうしても渡したいと思う方もいるかもしれません。しかし、主催者が「香典辞退」と記載しているからには主催者の意図があります。ある人からは受けとり、他のある人からは受け取らない、というわけにもいかないので、無理に渡さないのがマナーです。

4 思い出の品や写真を持参しよう

故人と親交があったという共通点はありますが、会では初対面の方とも話す機会があることも。緊張してしまう方もいるかもしれませんが、自分が知っている故人のエピソードを紹介し、相手が知っているエピソードを聞くなどすると和やかな時間が過ごせます。故人を通して新たな親交が芽生えることもあります。故人との思い出の品や写真がある場合、会話のきっかけになりますのでぜひ持っていき披露しましょう。

5 主催者、遺族の気持ちを大切に

お別れの会は、通夜、葬儀のような儀式としての形式にとらわれることなく、故人との最後の楽しい思い出を作り、別れを告げ、送り出せることが良いところです。主宰者、遺族にとっては、招待客が故人の一緒にみんなが楽しい時間を過ごしてくれることが慰めになります。ただし形式にとらわれないからこそ、主催者、遺族の気持ちをしっかりくんで振る舞うことが一番大切なことと言えます。

Text by:AY
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