通夜、葬儀・告別式のアイテムとして欠かせないハンカチ。いつものハンカチで良いのでしょうか。つい失念してしまいそうですが、通夜、葬儀・告別式の際のハンカチにもマナーがあります。今回はハンカチを巡るマナー、正しい扱い方を紹介します。

通夜、葬儀・告別式に参列するならハンカチは必須

普段ハンカチを持たない人という人もいるとは思いますが、通夜、葬儀・告別式に参列する際にはハンカチは必ず持つようにしましょう。服や靴とは違い、持っていなくても使わなければ他人には分かりません。しかし、涙を拭く可能性は大いにある状況です。身だしなみが重要な場でもあり、雨が降ったら喪服を拭く必要がありますし、汗をかいて拭くこともあるでしょう。少し肌寒い時にはひざ掛けとして使うことも。他人を不快にさせないためにも、マナーに基づいたハンカチを持つ必要があります。

ハンカチの色は白か、黒!

通夜、葬儀・告別式では白いハンカチが基本。宗教儀式を行う際に着るのが白装束であることもあり、最も違和感のない色です。白以外には喪服と同じ黒でもかまいません。冠婚葬祭用として薄いグレーのものも販売されていることもあります。

特に女性は色とりどりの可愛らしいハンカチを普段使っていることと思います。通夜、葬儀・告別式の場でそのようなハンカチを使うことのないように気をつけましょう。汚れが気になることもあり、案外、白一色のハンカチは普段は使わない、もっていないという人が多いのではないでしょうか。慌てないためにも一つは用意しておきましょう。

ハンカチの素材は?

お葬式という場を思うと素材はつやがなく、表面にてかりのないものがふさわしいです。そうなると、シルクやレーヨンはなく、コットンや麻のほうがおすすめ。涙や汗を拭くことも考えれば、吸水性の良いコットンが良いでしょう。

普段ミニタオルを愛用している方も多いことと思います。吸水性があるので特に夏場は頼りになりますね。しかし、コットンや麻と比較してタオル地のハンカチはカジュアルな印象がしますので、できれば避けたほうが良いでしょう。しかし、どうしてもタオル地でないと吸水性の面で心配という場合も。そんな時は、コットンや麻のもの、タオル地のもの両方持つのも良いですし、片面がガーゼ、片面がタオル地になっているハンカチもあります(※)。冠婚葬祭用にあらかじめ購入しておくと良いかもしれません。

通夜、葬儀・告別式でNGなハンカチは?

どんなハンカチでも実際は指摘されることもあまりないと思われますが、以下のように喪服に合わない、その場にそぐわず無用に目立ってしまうものは避けたほうが良いでしょう。

派手な装飾のあるもの

たとえ白や黒でも、派手なレースや目立つ刺繡や大きめのワンポイントなど、華やかな装飾のあるハンカチはお葬式用としてはふさわしくありません。ただし、ブランドの品物の場合、同色のロゴの刺繡があるものは多いですが、控えめであれば大丈夫です。

光沢のあるもの、明るいもの

同じ白でも光沢のある素材、明るい白は避けましょう。ラメやラインストーンなど光装飾もNGです。

黒、白以外のハンカチ

特に明るい赤や原色のピンクなどは目立ってしまうのでNGです。みんなが和服を着ているため、小さなハンカチでも思ったよりも目につく可能性があります。

ふさわしいハンカチを持っていない時は?

白や黒のお葬式にふさわしいハンカチを持っていない方もいることと思います。通夜は突然であることも多く困ってしまうこともあるかもしれません。そんな時、頼りになるのは100円ショップです。冠婚葬祭用のハンカチはもちろん、香典袋、数珠、ふくさ、黒の靴下、ネクタイまで売っています。とても頼りになりますので、急な不幸があった時足りない物を調達しに店に行ってみましょう。

ハンカチはふくさの代わりになる!

ハンカチを持っておきたい理由はハンカチ本来の役目以外にもあります。ハンカチはふくさとして使えるのです。ふくさは故人や遺族に対して礼を尽くす意味で使用しますので、急なことでふくさを忘れてしまった場合や、ふくさはあるけど、お葬式には相応しくないデザインや色しかないといった場合に、ハンカチをふくさ代わりとして香典袋を包みましょう。もちろん、きれいに洗濯をしたあと手を拭くなどしていない清潔なものであるべきです。アイロンもかけておきましょう。

  1. ひし形の状態でハンカチ広げ、この上に香典袋を中央より少し右側にずらしておきます。
  2. 右のハンカチの角を持って香典袋の側面の線に合わせて折り畳みます。
  3. 下の角、上の角の順に香典袋に合わせて内側に折り畳み、最後に左の角から包みこみます。
  4. ハンカチの下の角が香典袋から出てしまう場合は、その部分を内側に折りこむときれいに仕上がります。

ティシュを包むことも

ポケットティッシュは取り出すとガサガサ音がしてしまい厳粛な雰囲気にはそぐわないことがあります。しかし、ティッシュがどうしても必要なこともありますので、そんな時、あらかじめ数枚のティッシュをハンカチに包んでおいて使うようにするのもおすすめです。

ハンカチはどこにしまう?

通夜、葬儀・告別式の場合、数珠を持つこともありますし、香典を渡したり、お焼香したりと手が空いていないことが多いので、ハンカチはどこかに入れることになります。ハンカチを使う必要がある時に取り出すようにしましょう。

男性は胸ポケット以外のポケットに、洋装の女性はポケットがあればポケット、またはバッグにしまいましょう。ポケットがあっても小さめでハンカチが入っているふくらみが目立ってしまう場合はバッグに入れておくのがおすすめです。

和装の場合、袂部分に入れておきます。ハンカチの他に袂には数珠も入れますが、数珠の入っているのとは別の袂に入れてください。数珠と同じ袂に入れてしまうと、ハンカチを出し入れするたびに音がしてしまいます。

喪服や靴などに比べると見落としてしまいがちですが、通夜、葬儀・告別式では大切なハンカチです。思ったよりも活用の場が広く、小さいわりには人の目にとまりやすいので、故人や遺族に敬意を払う意味でもマナーはしっかり守りましょう。