霊園見学に行く前に、知っておくべき霊園チラシの基礎知識

新聞の折り込みなどで目にする霊園のチラシ。立地や雰囲気、建てられるお墓のスタイル、価格など、さまざまな内容がまとまっており、お墓の建立を検討している場合にはとても有用な情報源となります。ただし、チラシのなかには独特の役割を担っているものもあり、見学時に持参していないと希望するお墓が建てられなくなる可能性もあります。今回は、安心してお墓を建てるための、霊園のチラシに関する基礎知識をお伝えします。

index 目次
  1. チラシを発行しているのは霊園ではなく石材店
  2. 霊園訪問前に知っておきたい「指定先材店制度」
  3. チラシは2種類ある
  4. チラシを見て購入を検討する際の注意点

チラシを発行しているのは霊園ではなく石材店

墓地や霊園は、経営主体によって「公営霊園」「民営霊園」「寺院墓地」と大きく3タイプに分けられますが、今回は目にすることの多い「民営霊園」のチラシの事例を紹介します。

「○○霊園 新区画提供開始」など、ほとんどの霊園のチラシは墓所の提供を伝えるものであり、その霊園の名前が大きく打ち出されています。そのため、一見チラシの発行主は霊園であるかのように感じますが、実際は霊園自体ではなく、その霊園でお墓を建てる人へ墓石を提供している石材店であることが一般的です。

その背景には「墓地、埋葬等に関する法律」や、平成12年に当時の厚生省が通達した「墓地経営・管理の指針」があります。これらによると、墓地の経営主体は原則として地方公共団体であると定められ、例外として困難が生じる場合には公益法人や宗教法人などに限って認めるとされています。さらに、墓地には永続的な管理が必要であるため、健全な経営を確保するために「営利企業を墓地経営主体として認めることは適当ではない」とも記されています。このような事情から、一般的には民営霊園といいながらも、実のところは公益法人や宗教法人が経営し、管理を民間企業に委託するという様式をとっているのが大多数です。

このように霊園の運営には非営利性を求められていることから、チラシを公益法人や宗教法人などの経営主体自らが配布することは実質的に行われていません。たとえチラシの目的が営利でないと主張しても、営利目的の印象は与えかねないからであろうと推察できます。ところが、その霊園の利用者に墓石を提供している石材店であれば、チラシを配布することは可能です。石材店は「墓地」ではなく「墓石」で収益を得ており、その事業は営利目的であってかまわないからです。そのような事情から、霊園のチラシは墓所が提供されることで間接的に利益を得る石材店が発行するという方法がとられています。

霊園訪問前に知っておきたい「指定先材店制度」

上記のような理由で、霊園のチラシは石材店が発行していますが、多くの場合、チラシで扱われている霊園と石材店の間には「指定石材店制度」という特別な関係が存在しています。この「指定石材店制度」とは、一般的に、お墓を建てる際に墓石を購入するにあたって、霊園や寺院が指定した石材店以外では購入できない取り決めのことで、寺院墓地や民営霊園のほとんどでみられるものです。

指定石材店の数は霊園によってまちまちで、1社の場合もあれば10社以上の場合もあります。「指定石材店制度」の下では、「相見積もりがとれない」「取引する石材店の変更ができない」など一般的な商取引ではみられない買い手側への制約が設けられているので注意が必要です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

チラシは2種類ある

指定石材店が発行している霊園のチラシですが、発行主の石材店の名前が入っているものと入っていないものの2種類が存在します。石材店の名前が入っているものは、記載されている石材店が単独の費用負担で発行しているもので、石材店の名前が入っていないものは指定石材店に名を連ねている各社が合同で費用を出し合って発行しているものです。意識していないとその違いに気づきにくいですが、お墓の建立を検討している霊園の見学に赴く際にどちらのチラシを持参するか、もしくは持参しないかによって、その後の流れに大きな影響が及びます。

チラシを見て購入を検討する際の注意点

先に触れたとおり「指定石材店制度」とっている霊園では、一般ではみられない買い手側への制約がいくつかあり、そのなかのひとつに「特に指定する石材店のない客は、(当番となっている)最初に声をかけた石材店が最後まで担当する」というしきたりがあります。見学時に最初に挨拶を交わして担当業者が決まってしまうと、不満があっても変更は効かず、ほかの石材店から相見積もりをとることもできません。最悪の場合は、その霊園にお墓を建てることをあきらめざるを得なくなります。

このときに指定する石材店を示す意思表示となるのがチラシです。チラシを持参しなかったり、チラシを持参したとしても各社が合同で発行した石材店名表記のないチラシだったりする場合は、特に指定がないと判断されますが、指定石材店のどこかが単独で発行した石材店名表記のあるチラシを持参した場合は、そのチラシの発行主である石材店を指定しているものとみなされ、最後までその石材店が担当することとなります。もし、チラシを見て気に入ったデザインのお墓があり、それと同じものを建てたいと思う場合には、霊園見学の際に必ずそのチラシを持参し、最初に「このチラシを見てきました」と伝えるようにしてください。

石材店との付き合いはお墓を建てた後も代々続いていくものです。普段何気なく目にしている霊園のチラシですが、霊園の見学時に持参するかしないかで将来を大きく左右する可能性があります。今回の記事を参考に、チラシを上手に利用して、ぜひ満足のいくお墓選びを進めましょう。

Text by:松田 朝九
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