仏壇型?ロッカー型?自動搬送式?納骨堂が選ばれる理由と様々な種類

あととりがいない家や、お墓は必要ないと考える人が増えている中、新たなお骨の行き先として納骨堂の需要が高まっています。納骨堂は、経営主体の違いや形状の違いによって、さまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。たくさんある納骨堂の中でどれを選べばよいのだろうかとお悩みの方に参考になる情報をまとめました。最後まで、読み進んでいただければ幸いです。

index 目次
  1. 1. 納骨堂が選ばれる理由
    1. 1-1. あととりが不要
    2. 1-2. 墓じまいが不要
    3. 1-3. 天候に左右されずにお参りできる
    4. 1-4. お墓掃除の負担がない
    5. 1-5. 価格が安い
  2. 2. 納骨堂 5つの種類
    1. 2-1. 仏壇型
    2. 2-2. ロッカー型
    3. 2-3. 自動搬送型
    4. 2-4. 位牌型
    5. 2-5. 墓石型
  3. 3. まとめ

1 納骨堂が選ばれる理由

昨今では納骨堂も非常に普及してまいりましたが、選ばれている理由・背景には以下のようなものがあげられます。

  • 墓石の維持が困難だ
  • お墓が遠方にあるため満足にお参りや掃除できない
  • 天候に左右されずにお参りができる
  • お墓に比べて価格が安い
  • 最後は永代供養にしてもらえるからあととりの心配がない

現在、埋葬の選択肢は増えています。遺骨を納めるための施設には、通常のお墓・霊園や、樹木葬、永代供養、散骨などさまざまな方法があります。納骨堂が選ばれる理由をもう少し深く見ていきましょう。

1-1 あととりが不要

納骨堂の多くは永代供養付きで販売されています。一定の期限での区画利用のあとは、合祀されるといったものです。そのため、万が一あととりや墓守がいなくなった時も、ご先祖様の供養をお寺に任せられるから安心です。従来のお墓は、親、子、孫と、世代を超えて受け継いで守っていくことが前提で作られていました。しかし、個人の自由が尊重される現代では、故郷に残るお墓を守ることが、逆にその人のライフスタイルを縛りかねません。その問題を解決する手段として、納骨堂の利用が広がっています。

1-2 墓じまいが不要

通常の墓地・霊園ですと、あととりや墓守がいなくなった場合は、墓じまいをし、他の合葬墓や散骨など新たな遺骨の行先を探さなければなりませんが、納骨堂は、先にあるとおり永代供養付きであることがほとんどです。墓じまいの煩わしさを心配しなくてすみます。

1-3 天候に左右されずにお参りできる

納骨堂は屋内型のお墓です。お参りの時も、雨や風、さらには夏のお盆の暑い日差しに困ることなく、落ち着いた雰囲気の中で手を合わせられます。

1-4 お墓掃除の負担がない

従来のような屋外に設置された墓石では、常に雨や風や日光にさらされます。表面にはほこりなどが付着し、足元では雑草が覆い茂ります。お墓の掃除は一苦労で、お盆のような夏の暑い日だと、その負担はさらに増します。納骨堂は屋内にあるため、このようなお墓掃除の負担がなくなります。

1-5 価格が安い

墓石に比べて納骨堂の費用相場は格段に安いと言われています。お墓を建てるためには、墓地と墓石の両方を購入しなければならず、その費用は平均で200万円前後かかると言われています(※1)。一方の納骨堂は、種類によって相場が変わるものの、おおむね50万円~100万円前後だと言われています(※2)。

※1)お墓の価格相場一覧 – 墓石、永代使用料、諸費用、墓地タイプ別にかかる費用目安/いいお墓
https://www.e-ohaka.com/guide/cost/outline/ (外部リンク)
※2)納骨堂とは – 種類と費用相場、メリットとデメリット/いいお墓
https://www.e-ohaka.com/guide/kind/noukotsudo/ (外部リンク)

2 納骨堂 5つの種類

納骨堂は、その形状の違いにより、5つの種類に分けられます。仏壇型、ロッカー型、自動搬送型、位牌型、墓石型です。それぞれにどんな違いがあるのでしょうか。メリットやデメリットもあわせて解説していきます。

2-1 仏壇型

仏壇型の納骨堂は、文字通り仏壇の形をした納骨壇です。上段と下段に分かれており、それぞれに扉が設えてあります。

上の段の扉を開けますと、中にはその家の宗派の本尊(仏像や掛軸)、そして故人の位牌を安置して供養します。その他、仏壇でするのと同じような飾りつけやお供え物をします(お供え物には制限があるため、どのようなものをお供えしていいのか管理人に確認しておきましょう)。

下の段の扉を開けると収納のようになっており、複数の遺骨を納められ、親子、さらには孫まで、世代をまたいで利用できます。

2-1-1 仏壇型のメリット

仏壇型のメリットは、なんといっても1つの家で、独立した納骨壇を持てる点です。ロッカー型と異なり、上下を他の家に挟まれることもありませんし(のちほど詳しく解説します)、広く利用できるため、お参りの時にもきがねなく手を合わせられるでしょう。

2-1-2 仏壇型のデメリット

仏壇型のデメリットは、費用が比較的高いことでしょう。また、ロッカー型のようなコンパクトな納骨壇を希望している人にとってはサイズも大きすぎる印象を持つかもしれません。もしも「費用を安く抑えてたい」「もっとコンパクトでもよい」と考える人には不向きでしょう。

2-2 ロッカー型

ロッカー型とは、コインロッカーのような納骨壇が並ぶ納骨堂のことです。納骨堂と聞くとこのロッカー型をイメージする人が一番多いのではないでしょうか。最もポピュラーなスタイルだと言えます。

仏壇型では、1つの平面区画を1家族が使用しますが、ロッカー型では上下に複数の段に分けて複数のロッカーが設置されます。おおむね、3~5段のものが多いでしょう。1つ1つのスペースに限りがあるため、本尊や位牌なども合わせて納められるものもあれば、遺骨を納めるだけでいっぱいになるものもありますので、サイズの確認が重要なポイントです。

2-2-1 ロッカー型のメリット

ロッカー型の納骨壇は、省スペースでコンパクトにできているため、費用が比較的安いという点が挙げられます。また、寺院によっては場所ごとに価格を変えていることもしばしばです。たとえば、3段式の納骨壇の場合、売れ行きが良いのは上段や中段で、一番下の段はどうしても売れ残りやすいために価格を安く設定するのです。場所を選ぶか価格を選ぶか、選択肢があるのは利用者にとってはありがたいことです。

2-2-2 ロッカー型のデメリット

ロッカー型という形状から、亡き人を偲ぶお墓ではなく、ただの収蔵棚と受け取る人もいるかもしれません。また、上下を他の区画に挟まれていることに窮屈に感じる人もいるでしょう。

また、従来のお墓ではお骨はお墓の中に納骨されているので、納骨と礼拝を同じ場所でできますが、ロッカー型の場合は、お骨とは別の場所にある堂内共有の本尊に手を合わせるというスタイルが多いようです。人によってはこうした慣れないお参りの仕方もデメリットに感じるかもしれません。

2-3 自動搬送型

自動搬送型の納骨堂は、「機械型」「マンション型」などとも呼ばれる新しい形の納骨堂です。納骨スペースと参拝スペースが完全に分離しているのが特徴です。いつもはバックヤードに保管されている遺骨は、お参りの人が来たら共有の参拝ブースまで自動搬送されます。

入館時や参拝時に用いられるのはICカードで、完全機械制御、さらにはホテルやマンションのロビーを思わせるモダンな雰囲気が特徴です。

東京や大阪など、土地不足に悩む都心部を中心に広がりを見せています。公営霊園では横浜市営霊園も2018年に「日野こもれび納骨堂」をオープン。全国の自治体にも徐々に普及していくのかもしれません。

2-3-1 自動搬送型のメリット

最大のメリットは、首都圏に住む人にとっては、アクセスの良い立地に納骨できるかもしれないという点です。東京都内を見ても、自動搬送型の納骨堂は、新宿や赤坂など山手線圏内に集中しています。「完全機械制御」と聞くと高額な費用がいるのではないかと思うかもしれませんが、そこまで極端に高いということもありません。費用相場は100万円前後と言われ、都心にお墓を建てることを考えるとはるかに安い値段です。これは、自動搬送型の収容力のためです。とある納骨堂では最大で約10万もの遺骨を保管できると言われています。仮に設備投資に費用がかかったものの、多くの利用者を募ることで十分減価償却ができるのです。

2-3-2 自動搬送型のデメリット

故障や停電が起きてしまうとお参りができなくなります。トラブル時にはどんな対応で遺骨を守ってくれるのか事前に確認しておきましょう。また、参拝ブースの数が限られているため、盆や彼岸の時期のお参りは大変な混雑が予想されます。

2-4 位牌型

これまで挙げた仏壇型、ロッカー型、自動搬送型などでは、形状や仕様は異なるものの、どれも「納骨壇」と呼ばれるものを設置していましたが、これに対して位牌型の納骨堂では厳密な意味での「納骨壇」がありません。堂内に設えられた棚に位牌を並べて供養するのが特徴ですが、遺骨はというと、別の場所にまとめて保管されます。主に、本堂の裏に設えられた棚や、位牌棚の下の収納スペースなどに置かれることが多く、遺骨を保管するための専用施設としての納骨壇を用いないところが多いようです。
一定期間の供養を終える永代供養塔で合祀します。

納骨堂や位牌堂などとして、あえて専用の別棟を建てている寺院もあれば、本堂の中に位牌を並べる寺院もあります。

また、安置する位牌には2通りあります。ひとつは自宅の仏壇で祀っていた位牌をそのまま安置します。もうひとつは寺院が指定する位牌を購入します。この方針は寺院によって異なります。

2-4-1 位牌型のメリット

位牌型では、他の納骨堂に比べて場所を取らず、納骨壇の設置のコストもかからないために最も費用を安く抑えられるでしょう。

2-4-2 位牌型のデメリット

遺骨を個別に安置することができず、お参りの際はお堂の本尊に対して手を合わせます。骨壷はお堂の裏や位牌壇の下の収納の中などに集められることが多いようです。「わが家の先祖のお骨は独立して安置したい」と考える人にとっては違和感を覚えるかもしれません。

2-5 墓石型

墓石型では、建物の中に墓石を建立します。「納骨堂」と呼ぶには違和感を覚えるかもしれませんが、納骨するためのお墓を建物(=堂)の中に構えるという点では、納骨堂のうちのひとつと言えるでしょう。

墓石型は数としてはあまり多くありませんが、土地不足に悩む都市部や、冬にお墓参りができない寒冷地などで見られます。

2-5-1 墓石型のメリット

従来型の慣れ親しんできた墓石にお参りができます。わが家だけの区画にわが家だけのお墓を持つことができ、遺骨もその中に納骨できます。また、室内なので天気に左右されることなくお参りができますし、墓石の劣化や雑草の掃除などに頭を悩ませることもありません。

2-5-2 墓石型のデメリット

室内とはいえ、墓地区画を購入してそこに墓石を建立するわけですから、一般的なお墓を建てるくらいに高い費用が必要となります。また、これまでのお墓参りではお花や果物などをお供えして、ローソクや線香を灯しましたが、墓石型の納骨堂はあくまでも建物の中にあるお墓なので、場所によってはお供え物に制限があります。お花やお供え物は持ち帰り、火の使用ができないなど、事前に確認しておきましょう。

3 まとめ

ひとことに納骨堂と言っても、たくさんの種類があることを分かっていただけたのではないでしょうか。まずは自分たちの希望するエリアにどんな納骨堂があるのか。そしてそれぞれ、どの種類の納骨堂で、どんな特徴があるのかをしっかりと見極めましょう。納骨堂は屋内施設とはいえ、お墓と同様、家族をつなぐ大切な場所です。亡くなった人、お参りに行く人、双方にとって、お参りする(される)ことによって心が満たされる納骨堂に出会えるといいですね。納骨堂選びのポイントはこちらの記事もぜひご参照ください!

Text by:玉川将人
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  • 思い切って手放したい
  • 場所をとるのをどうにかしたい
  • お墓や納骨堂、意外と高いな・・・
  • 部屋に置いておくには、
    骨壺の見栄えがちょっと・・・
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こんな方は・・・

  • ご遺骨・骨壺を自宅で安置・保管しているが、納骨をどうすべきか悩んでいる...
  • お墓を建てるほどの費用はかけられないかも...
  • 自宅で安置・保管するには、場所を取りすぎるのが悩み...
  • 手元にずっと置いておきたいが、来客時に目につくのが、ちょっと困る...
  • 骨壺や骨袋のデザインがあまり好きではない...
  • 思い切って手放したいと思うが、いい方法が見つからない...