一般墓地や芝生墓地など、多くの霊園では区画を分けて複数のタイプの墓域が設けられています。そのなかでも特にポピュラーなものとして挙げられるのが「ゆとり墓地(ゆとり墓所)」。今回は「ゆとり墓地」の特色やメリット、バリエーションなどについて紹介したいと思います。

ゆとり墓地とは

ゆとり墓地とは、ひとつのお墓の区画の左右、または背後にも一定のスペースを設けてある墓地のことを言います。
周囲に空間を設けているという特性上、一定の墓域に集められて提供され、ゆとりを設けていないお墓と隣り合ったり、混在したりするケースは基本的にありません。
「ゆとり」として設けられたスペースの使われ方は霊園によってさまざまですが、石材や植栽によって装飾が施され、景観美を損なわないように配慮されているのが一般的です。

ゆとり墓地のメリット

ゆとり墓地には、周囲に空間が設けられていることから次のようなメリットがあります。

圧迫感がない

お墓が並ぶ景観を目にした際に窮屈な感じがせず、ひとつひとつのお墓を前にしたときにも、隣と接していないことから心理的な圧迫感もありません。
お墓参りや掃除の際に、「不意に隣のお墓を傷つけてしまわないだろうか」という心配もなく、気兼ねせずに行えます。

掃除がしやすい

ちょっとしたスペースではありますが、隣のお墓と密接していないため、お墓掃除のしやすさが違います。

墓石の費用が抑えられる

周囲に空間を設けた分、通常の区画よりも実際に使用するスペースは狭くなるため、墓石の使用量が少なくなり、費用を抑えることができます。

景観が良い

ゆとり部分には、一般的に板石や玉砂利、タマリュウをはじめとした植栽などが使われ、美観を損ねないような工夫が施されています。そのような部分では雑草の生育が抑制されることもあり、墓域の見た目も良好な状態に保たれます。

ゆとり墓地のバリエーション

ゆとり墓地の周囲にあるスペースを自由に使える霊園もありますが、「タマリュウ墓地」や「花壇墓地」といったように使い方に一定の基準を設けて墓域を提供している霊園も多くあります。その代表的な例をいくつか紹介します。

石材を用いたゆとり墓地

特別に名づけられて提供されているケースはあまりありませんが、板石というプレート状の石材や玉砂利を敷くなど、石材だけを周囲のスペースに使用することで統一感を出した比較的ポピュラーなタイプです。玉砂利の色は好みで選べることが多いようです。

タマリュウ墓地

こちらも多くの霊園で見かけられる、お墓の境界にタマリュウという日当たりの影響をあまり受けずに育つ植物を植えたタイプのゆとり墓地です。高く伸びることなく、常に青々としているので、墓域を明るい雰囲気にしてくれます。「緑地付き墓地」などと呼ばれることもあります。

花壇墓地

「フラワー墓地」「プランター墓地」など霊園によって呼び方はいろいろありますが、お墓の周囲の空間に花を配することで統一感を持たせた墓域を用意している霊園もあります。地面に直接花を植える様式もあれば、鉢植えの花を置くプランターだけを設置している様式もあります。また、花の手入れについても霊園の管理者側で行うか、利用者側で行うかがまちまちです。

生垣墓地

お墓の背面にもゆとりが設けられている墓域のなかでも、そのスペースに生け垣を配置し、「生垣墓地」などの名で提供しているものです。目線の高さほどの生垣による仕切りを設けることで景観に統一感がもたらされるほか、視線を遮断することでプライバシーへの配慮にもなる工夫だといえるでしょう。鮮やかな赤い新芽が特色のベニカナメモチなどを生垣に使った霊園では、ナチュラルでありながらも、とても明るい雰囲気が生み出されます。

ほかにも境界部分にレンガを用いていたり、玉砂利の代わりにガラス球を使っていたりなど、霊園それぞれに多種多様なゆとり墓地がみられます。ゆとり墓地が候補となっているようであれば、検討している霊園にはどのようなタイプがあるかを実際に現地に赴いて一度確認してみるとよいでしょう。

<関東エリア>「ゆとり墓地」が魅力のおすすめの霊園・墓地

全域がゆとり墓所で4タイプから選べる「環境霊園 横浜みどりの森」(神奈川県横浜市)

横浜市緑区の国道246号線沿いに立地。周囲にレンガや芝を敷設できる「ガーデン墓所」や、両脇に石材によるスペースを設けて背面に生垣を配した「生垣ゆとり墓所」など、墓域のバリエーションは4タイプあり、そのすべてが周囲にスペースを設けたゆとりある作りとなっています。また、太陽光発電や風力発電の採用、仏花のリサイクルなど、徹底した環境配慮の姿勢がみられる点も特色です。

景観も配慮した全域がゆとりある造りの霊園「メモリアルパーク藤沢」(神奈川県藤沢市)

カラフルな花々が咲き溢れ、とても明るい雰囲気の園内は、「芝生墓地」と「一般ゆとり墓地」に分かれており、どちらのお墓も両隣にスペースが設けられたゆとりある作りとなっています。特に、和型のお墓が多く並ぶ「一般ゆとり墓地」では、高さの制限も設けられており、開放的な景観を保つよう配慮されています。

駅から徒歩圏内の庭園風霊園「メモリアルガーデン山田」(東京都八王子市)

山田駅(京王高尾線)からは徒歩8分と、八王子市内では少ない、駅から徒歩圏内の便利な立地。レンガ調のタイルで整地された通路や丁寧に刈り込まれた植栽など、明るく清潔感のある園内には、芝生墓地と一般墓地をラインナップ。芝生墓地はもちろん、すべての一般墓地の両脇にも、芝生によるゆとりが設けられています。

ペットとともに眠れる墓所が充実した「川口光輪メモリアル」(埼玉県川口市)

東京メトロ南北線と相互乗り入れを行っている埼玉高速鉄道の「新井宿」駅から徒歩圏内、車利用でも川口東I.C.(東京外環自動車道)から約1分と都心方面からもアクセスの良い立地。シックなデザインで統一された、都会的な雰囲気の園内でみられるほとんどのお墓が、手前部分と両脇に石材によるゆとりを設けた造りとなっています。また、一般墓であればどの区画であってもペットとともに眠ることが可能なので、ペット好きのファミリーに特におすすめです。