エンゼルメイク(死化粧)をご家族の手で

死後処置、死化粧と聞くと、少し冷たく寂しいイメージがあります。そこで近年は、その二つも含めた死後のケアのことをまとめて「エンゼルケア」と呼ぶようになってきました。さらに、死化粧はエンゼルメイクとも呼ばれています。このエンゼルメイクに、家族の方にも参加してもらおうと考える病院が、少しずつ増えています。エンゼルメイクとはどのようなものなのか、みていきましょう。

index 目次
  1. 1. 死後処置・死化粧とは
  2. 2. 死化粧がエンゼルメイクと呼ばれるように
  3. 3. エンゼルメイクの方法論を確立する動き
  4. 4. 家族が出来るエンゼルケア
  5. 5. 前もって病院に確認をしてみましょう

1 死後処置・死化粧とは

死後処置

医療器具を外したり、傷跡を処置したり、感染を予防するための医学的意味合いが強いもので、看護師などが行います。

死化粧

闘病や死によって変化したご遺体の外観をきれいに整える事です。

2 死化粧がエンゼルメイクと呼ばれるように

多くの病院での、臨終から退院までの流れは、

  1. 医師による臨終の確認
  2. 亡くなった方と遺族で過ごす時間
  3. 死後処置・死化粧
  4. 病室から霊安室へ
  5. 退院

となります。

3の死後処置の時間は、チューブなどの取り外しや傷の処置などが含まれることから、ご家族が見るのは辛いのではないかという配慮もあり、ご家族に一度退出してもらい看護師が行うことが主流でした。また、死化粧のやり方も決まりはなく、看護師が各自で試行錯誤しながら行っていたようです。

3 エンゼルメイクの方法論を確立する動き

元看護師で作家の小林光恵氏は、看護師としての業務の中で、人の臨終直後という貴重な時間に本人と家族を離し、ほんのひと時関わった看護師の自分だけで死後のケアを行っていいのだろうかと、疑問を持っていたそうです。また、死化粧用の化粧品類が、備品として病院でしっかり準備したようなものではなく看護師の私物を提供したまにあわせのようなものだった事も疑問だったそうです。この二つの疑問がきっかけとなり、死後処置をきちんとしたケアとして確立したいと2001年にエンゼルメイク研究会を発足しました。

「死後の外見を整える行為」は死化粧、死後メイク、エンゼル、など様々な呼びかたがされており、その範囲も定まっていませんでした。研究会では「エンゼルメイクとは、医療行為による侵襲や病状などによって失われた生前の面影を、可能な範囲で取り戻すための顔の造作を整える作業や保清を含んだ"ケアの一環としての死化粧"である。また、グリーフ(死別の悲嘆)ケアの意味合いも併せ持つ行為であり、最期の顔を大切なものと考えた上で、その人らしい容貌・装いに整えるケア全般のことである」※1と定義しています。

研究会からの情報提供などがきっかけとなって、ご遺体をきれいに整える事は、グリーフ(死別の悲嘆)ケアの意味合いも併せ持つ行為でもあり、ご遺族の方にも参加してもらった方が良い、と考える病院がその後少しずつ増えているようです。

4 家族が出来るエンゼルケア

死化粧、エンゼルメイクという言葉から、お化粧のイメージがありますが、スキンケア・メイク・シャンプー・着替え・爪切りなど、整える事の全般のことを指します。家族が参加しやすいエンゼルメイクに関して、簡単に挙げておきます。

爪切り

丁寧に切ってあげてください。男の人でも参加しやすいと思います。

着替え

退院の時に着せてあげたい服があったら、用意してあるといいようです。フラメンコが趣味だった方が華やかなフラメンコの衣装で、医師が愛用していた白衣で、退院された例もあるそうです。

手浴・足浴

シャワー浴ができず身体は拭くだけという場合、洗面器にお湯を張り、そこに手や足をつけて洗います。

保湿

乾燥を抑えるために、手や足にクリームなどを塗ってあげます。

血色を補う

顔や首、耳などにファンデーションを塗ります。乾燥防止や皮膚変色のカバーのためにクリームタイプで、赤みのあるお色がよいようです。頬・耳・まぶた・額には更に、チークで赤みを足します。時間がたって顔の蒼白化が進んだ時にも、同じようにチークを足してあげると、自然で穏やかな表情に繋がるそうです。

マニキュア

亡くなると爪からも赤味が消えてしまいます。薄いピンク系の透明マニキュアは老若男女どなたの手にも合うようです。愛用していたマニキュアがある方は、用意しておいて、塗ってあげるのも良いかもしれません。

臨終の後すぐにそういったことに参加する気持ちにはなれないかもしれませんので、無理にする必要はありません。そばで見守り、希望を看護師に伝えるだけでも、かけがえのない看取りになります。

5 前もって病院に確認をしてみましょう

時事メディカルの記事の中で、小林氏は「生前にどれほどその人のために尽くしたつもりでも、最後は後悔の念が湧き出てくる。それでも、最期に爪を切ってあげた、靴下をはかせてあげたといったことが、ほんのわずかでも救いになる。このわずかな救いが、その先の人生において必ずプラスになると思うのです」※2)と言っています。

しかし、全ての病院において、エンゼルメイクにご家族が関わった方が良いと、考えているわけではありません。ご家族が関わりたいと申し出ても、「死後処置は看護師だけで行います」と言われることもあるかもしれません。エンゼルケアに参加したい意向がある方は、できれば前もって確認したほうがよいでしょう。

参考文献
※1 小林光恵著「エンゼルメイクを知っていますか 死化粧の時」洋泉社、2009年、p46
※2 時事メディカル
https://medical.jiji.com/topics/589?page=1 (外部リンク)
Text by:ASATO
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