配偶者や父母、祖父母、子ども、兄弟姉妹など身内が亡くなったら。家族や親族、友人、知人、仕事関係者などに「死亡」や通夜・葬儀の連絡をします。誰に、いつ、どのような方法で伝えたらいいのでしょうか。まず大きなポイントは一般葬なのか、家族葬なのか、葬儀の形式によって亡くなったことを伝える内容やタイミングもかわってくるという点です。電話やメール、LINE、はがきなど連絡手段も複数あり、相手や内容によってどの方法が最適なのか迷うところでもあります。
本記事では葬儀の形式が「一般葬」の場合の訃報の伝え方について家族・親族へ、友人・知人へ連絡する方法と内容をまとめました。「家族葬」の訃報の連絡についてはこちらの記事をご参照ください。
なお、身内の死は「亡くなりました」「永眠(いた)しました」と表現します。「亡くなる」は尊敬語ではありませんので、自分の身内が亡くなったときにも使います。
1.訃報を伝える相手とタイミング
家族や親族、親しい友人・知人、仕事関係者など訃報を伝える相手は様々です。相手によって、伝えるタイミングや内容も変わります。故人がエンディングノートや手帳などに、「死亡時に連絡してほしい相手」を書き残しているかもしれませんので、それも確認しておきましょう。
速やかに連絡すべき相手
亡くなったらすぐに知らせるべき相手は以下です。
- 家族・親族(故人の、親、兄弟姉妹、おじ・おば、甥・姪、いとこ、孫)
- 故人の親しい友人
- 故人の勤務先
関係性の深い親族同士や友人同士には伝言を依頼してもよいですが、連絡漏れのないように気をつけておきましょう。
死亡連絡時に伝えること
- 連絡している自分の名前(故人との関係)
- 故人の名前(年齢)
- 死亡した日時と場所
- こちらの連絡先
- (駆けつけたいという相手には)来てもらう場所
- (決まっていれば)通夜・葬儀・告別式の情報
近い親族であればすぐ駆けつけたいといわれることもあります。その場合は、病院や故人の自宅など来てもらう場所を知らせます。通夜や葬儀については、もし詳細が既に決まっていたらその詳細も連絡するとよいですが、このグループの相手には何よりも「亡くなった事実」を速やかに伝えることが優先です。
通夜・葬儀について決まってから知らせる相手
通夜・葬儀について詳細が決まってから知らせる相手は以下です。
- 友人・知人
- あればその他の所属団体など
- 遺族の勤務先や仕事関係者
友人や知人、学校や勤務先など、ある程度グループや団体がある場合は、最も親しかった人や代表者から他の人に連絡してもらうようにします。
死亡連絡時に伝えること
- 連絡している自分の名前(故人との関係)
- 故人の名前(年齢)
- 死亡した日時と場所
- こちらの連絡先
- 通夜・葬儀・告別式の詳細情報
こちらの記事もご参考に。
詳細に連絡すべき内容は「一般葬」なのか「家族葬」なのかによっても変わってきます。以下でケース別に整理していきます。
2.訃報の伝え方と内容
2-1.家族、親族への伝え方
家族・親族は、葬儀の形式に関わらず基本的に通夜・葬儀に参列することになりますので、亡くなったことに加えて、通夜や葬儀の詳細についても連絡する必要があります。第一報は電話で亡くなったことを知らせ、通夜や葬儀の詳細が決まったらあらためてメールやLINEで知らせるようにするといいでしょう。一般的な電話連絡とメール・LINE・FAXの文例をご紹介しますので、状況に応じてアレンジしてお使いください。
家族・親族に電話で伝える内容
- 故人の名前
- 連絡している自分の名前と故人との関係
- 亡くなったこと
- 死亡した原因、日時と場所
- 故人の年齢
- 自分の連絡先
(決まっていれば、または決まり次第)
- 通夜・葬儀の形式・宗教宗派・日時
- 通夜・葬儀会場の住所・連絡先
家族・親族への電話例
おはようございます。
○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)です。
○○(相手の名前)さん大変ごぶさたしております。
急な電話での連絡で申し訳ありません。
実は今朝、妻が○○(死因)のため□□(死亡場所)で亡くなりました。
通夜・葬儀につきましては詳細が決まり次第ご連絡させていただきます。
何かありましたら私の携帯(番号)までご連絡ください。
何かとお世話になりますがどうぞよろしくお願いたします。
家族・親族へのメール・LINE・FAX文例
件名:○○○○(故人の名前)の葬儀日程
○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)です。
葬儀の日程などが決まりましたのでご連絡します。
死亡者氏名:○○○○(享年○歳)
死亡日時:○○年○月○日 ○時○分
通夜:○月○日 午後○時~
告別式:○月○日 午前○時~
場所:○○斎場
(式場住所・電話番号)
宗教:仏式(○○派)
故人:○○(住所、連絡先)
喪主:○○(住所、連絡先)
2-2.知人・友人への伝え方(一般葬の場合)
一般葬であれば故人の勤務先や仕事関係の人、友人・知人などは通夜や葬儀に参列しますので、亡くなったことに加えて通夜や葬儀の詳細についても連絡する必要があります。最初に電話で亡くなったことを知らせ、通夜や葬儀の詳細は決まり次第知らせるようにするといいでしょう。短時間で多くの人に連絡をすることになりますので、あらかじめ手元にリストを用意し分担して電話をするようにしましょう。
一般葬に参列してもらう相手に電話で伝える内容
- 故人の名前
- 連絡している自分の名前と故人との関係
- 亡くなったこと
- 死亡した原因、日時と場所
- 故人の年齢
- 自分の連絡先
(決まっていれば、または決まり次第)
- 通夜・葬儀の形式・宗教宗派・日時
- 通夜・葬儀会場の住所・連絡先
(弔電、供花などを受け取るのであれば、上記に加えて送り先を伝える。)
- 送り先名称(葬儀会場・故人自宅・喪主自宅など)
- 送り先住所・電話番号
- 喪主の名前
- 葬儀社を通して供花を送ってもらう場合は葬儀社の連絡先
一般葬に参列してもらう相手への電話例
おはようございます。
○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)と申します。
急な電話での連絡で申し訳ありません。
実は今朝、妻が○○(死因)のため(死亡場所)で亡くなりました。
通夜・葬儀につきましては詳細が決まり次第ご連絡させていただきます。
何かありましたら私の携帯(番号)までご連絡ください。
何かとお世話になりますがどうぞよろしくお願いたします。
一般葬に参列してもらう相手へのメール・LINE・FAX文例
件名:○○○○(故人の名前)の葬儀日程
○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)です。
葬儀の日程などが決まりましたのでご連絡します。
死亡者氏名:○○○○(享年○歳)
死亡日時:○○年○月○日 ○時○分
通夜:○月○日 午後○時~
告別式:○月○日 午前○時~
場所:○○斎場
(式場住所・電話番号)
宗教:仏式(○○派)
故人:○○(住所、連絡先)
喪主:○○(住所、連絡先)
2-3.事後報告
通夜、葬儀に参列してもらわなかった人には、葬儀後に電話や死亡通知状で「亡くなったこと」「葬儀を済ませた」ことを知らせ、「連絡が遅くなったこと」をお詫びします。
死亡通知状は、葬儀を済ませた後に、喪主など遺族の代表者が「亡くなったこと」「すでに葬儀を終えたこと」を知らせ、「生前のお付き合いに対するお礼」を述べるために出すはがきです。葬儀後1週間をめどに送ります。
相手によっては葬儀後にメールで知らせる場合もあるでしょう。「亡くなったこと」「葬儀をすでに終えたこと」「連絡が遅くなったお詫び」を伝えます。
訃報を受けた人は弔問、供花や線香を送る、といった対応を申し出てくれることもあると思われますので、その場合は、弔問先や送り先の住所、連絡先を伝えます。
電話や死亡通知状、メールの文例をご紹介します。
葬儀後の電話連絡文例
○○○○(故人の名前)の(続柄)の□□(自分の名前)です。
急なお電話での連絡で申し訳ありません。
実は父○○が先週水曜日〇月〇日に永眠いたしました。
本人の遺志により葬儀は近親者のみで〇月〇日にとり行いました。
ご連絡が遅れましたことどうぞお許しください。
死亡通知状の文例
母〇〇〇〇儀 去る○月○日○時 ○○歳で永眠いたしました
葬儀は生前の故人の遺志により ○月○日 葬儀は身内のみにて相すませましたことを遅ればせながらご報告いたします
亡母が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに 謹んでご通知申し上げます
〇〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇
外 親戚一同
葬儀後の死亡連絡メールの文例1
(続柄)○○○○(故人の名前)が去る○月○日〇〇歳の生涯を閉じました。
本来なら早くお知らせすべきでしたが、通知が遅れました事を深くお詫び申し上げます。
なお葬儀は○月○日家族葬で相済ませました。
ここに生前のご厚誼を深謝申し上げます。
葬儀後の死亡連絡メールの文例2
(続柄)〇〇〇〇(故人の名前)が○月○日○時○○歳で亡くなりました。
○○(病名等)のため○○月から入院治療中でした。
葬儀は○月○日故人の遺志により○○(葬儀場所)にて近親者のみで行いました。
ご連絡が遅れましてまことに申し訳ありません。
生前の(続柄)との長く温かいお付き合いに心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
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本記事では葬儀の形式が「一般葬」の場合の訃報の伝え方について、家族・親族へ、友人・知人へ連絡する方法と内容をまとめました。「家族葬」の訃報の連絡についてはこちらの記事をご参照ください。