「家族葬」の訃報の伝え方 ―知らせる相手、タイミング、連絡手段、内容・文例

今回は葬儀を「家族葬」で執り行う場合の訃報の伝え方を解説いたします。「一般葬」と違い、参列していただく方が限定されている、予め分かっている、という点が家族葬の大きな特長です。誰に、どのタイミングで、どんな連絡手段で知らせるのか。また、家族、親族、勤務先や仕事関係、参列してもらう友人、参列してもらわない友人…と、知らせる相手により内容が変わってきます。電話やメール、LINEなど連絡方法別に文例もご紹介します。

本記事では葬儀の形式が「家族葬」の場合の訃報の伝え方についてまとめましたが、「一般葬」の訃報の連絡についてはこちらの記事をご参照ください。

index 目次
  1. 1. 家族葬と訃報
  2. 2. 家族、親族への連絡
  3. 3. 勤務先・仕事関係者への連絡
  4. 4. 家族葬に参列してもらわない知人・友人への連絡
  5. 5. 家族葬に参列してもらいたい知人・友人への連絡
  6. 6. 事後報告

1. 家族葬と訃報

家族葬とは

「家族葬」とは、家族や親しい友人など10数名~多くても30名ほどで行う少人数・小規模の葬儀のことです。ゆっくり落ち着いた雰囲気の中で故人を見送りたい、葬儀にかかる費用を抑えたい、高齢になり参列者がそれほどいない、といった理由から家族葬は年々増えています。鎌倉新書「第3回お葬式に関する全国調査」(2017年)によると、家族葬の占める割合は37.9%と4割近くとなっています(※)。

ところで「家族葬」の意味する範囲は地域や家庭、故人や喪主の人間関係、また葬儀社によっても違い、明確な定義があるわけではありません。文字通り、家族や親族だけで「家族葬」ということもありますし、家族や親族でなくても故人の親しい友人を含めて「家族葬」ということもあります。家族や親族といっても、例えば、故人の子どもの配偶者の親は参列するのか。親族とは故人のいとこまでか、はとこまでか、さらにはいとこの子は含むのか。ケースバイケースであるのが実際のようです。

参考情報として、一般的には葬儀に出席する親族の範囲は、3親等以内は参列するといわれています。詳しくはこちらの記事もご参照ください。

家族葬と新型コロナ

最近では新型コロナ感染予防のため、多くの人が集まる機会を避けて、通夜・葬儀が規模を縮小して実施されているため、家族葬の占める割合はさらに大きくなっていく傾向にあります。

小規模、だけではない家族葬のメリット

一般葬の場合、喪主や遺族は親族や友人、仕事関係者などに訃報を伝え、訃報の連絡を受けた人がさらに他の人に伝えていくということで情報が広がっていきます。そして訃報を知った人は、各々が通夜・葬儀に参列するかどうかを検討・判断します。つまり、喪主や遺族側は、実のところ通夜や葬儀に誰が参列してくれるのか、人数はどれくらいなのかあらかじめ把握しておくことはできず、当日になってみないとわからないのです。

一方家族葬では、小規模で人数を絞って行うという趣旨なので、親族の範囲はどこまでか、親しい友人には参列してもらうのか否か、など参列者の線引きをします。参列者の顔ぶれと人数が予め把握できるというのも家族葬の特長です。

訃報で伝えるべき内容が、一般葬とは異なる

そして家族葬の場合の訃報では、参列してもらうのか、参列してもらわないのか、伝える相手によって連絡すべき内容が変わってきます。訃報を連絡する時点で誰に参列してもらうのか、してもらわないのか、参列してもらわないとしてもすぐ連絡すべきか、事後報告でいいのか、を決めておかなくてはなりません。

2. 家族、親族への連絡

家族・親族には、亡くなったことに加えて、通夜や葬儀の詳細についても連絡する必要があります。第一報は電話で亡くなったことを知らせ、通夜や葬儀の詳細が決まったら、あらためてメールやLINEで知らせるようにするといいでしょう。一般的な電話連絡とメール・LINE・FAXの文例をご紹介しますので、状況に応じてアレンジしてお使いください。

家族・親族に電話で伝える内容
  • 故人の名前
  • 連絡している自分の名前と故人との関係
  • 死亡した原因、日時と場所
  • 故人の年齢
  • 自分の連絡先

(決まっていれば、または決まり次第)
家族葬で執り行う旨・宗教宗派・日時
通夜・葬儀会場の住所・連絡先

家族・親族への電話例

おはようございます。
○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)です。
○○(相手の名前)さん大変ごぶさたしております。
急な電話での連絡で申し訳ありません。
実は今朝、妻が○○(死因)のため□□(死亡場所)で亡くなりました。
通夜・葬儀につきましては家族葬で行う予定ですが(家族・親族だけで見送るつもりですが)、詳細が決まり次第ご連絡させていただきます。
何かありましたら私の携帯(番号)までご連絡ください。
何かとお世話になりますがどうぞよろしくお願いたします。

家族・親族へのメール・LINE・FAX文例

件名:○○○○(故人の名前)の葬儀日程

○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)です。
葬儀の日程などが決まりましたのでご連絡します。
なお、故人の遺志により近親者のみで家族葬を行う予定です。

死亡者氏名:○○○○(享年○歳)
死亡日時:○○年○月○日 ○時○分

通夜:○月○日 午後○時~
告別式:○月○日 午前○時~
場所:○○斎場
(式場住所・電話番号)
宗教:仏式(○○派)

故人:○○(住所、連絡先)
喪主:○○(住所、連絡先)

3. 勤務先・仕事関係者への連絡

家族葬の場合、遺族は勤務先に「家族・親族が亡くなったこと」「家族葬であること」「忌引き休暇を取りたいこと」の3点を伝えます。家族葬であれば勤務先の人や仕事関係の人は参列しませんので、通夜・葬儀の案内は不要です。また、付き合いの深い仕事関係者には知らせておいたほうが双方の業務上スムーズです。仕事関係者に上司や同僚から伝えてもらうことができる場合は上司や同僚に相談しておくのも手です。

家族葬の場合、勤務先や仕事関係者からは香典もいただかないのが一般的です。ただし「家族葬なので香典を辞退する」といっても、中には香典(こうでん)や弔電(ちょうでん)、供花(きょうか・くげ)を送りたいという人もいます。その場合は相手の気持ちを汲んで受け取った方がスムーズなので送り先(葬儀会場・故人自宅・喪主自宅か)を的確に伝えるようにします。

供花は葬儀社か式場に手配依頼できるケースも多く、その方が式場や祭壇に見合ったお花を用意してもらえますし、やりとりもスムーズです。そうしてもらう場合は、葬儀社か式場の連絡先を知らせます。

家族葬の場合に伝える内容
  • 故人の名前・年齢
  • 故人と自分の関係
  • 亡くなった日
  • 亡くなった歳(享年○歳)
  • 葬儀は家族葬で行う旨
  • 忌引き休暇の予定(○日まで)
  • 忌引き休暇中の連絡先
  • 香典、弔電、供花は辞退する旨
(香典、弔電、供花などを受け取るのであれば、上記に加えて送り先を伝える)
  • 送り先名称(葬儀会場、故人自宅、喪主自宅など)
  • 送り先住所・電話番号
  • 喪主の名前
  • 葬儀社を通して供花を送ってもらう場合は葬儀社の連絡先
家族葬の場合の勤務先への電話例

おはようございます、(所属など)の○〇です。
急な電話での連絡で申し訳ありません。
実は昨日、私の○○(関係性)が亡くなりまして、○日まで忌引き休暇をいただきたいのですが。
葬儀は家族葬で行う予定で、○○が喪主を務めます。
ご香典や供花につきましては失礼ながら辞退させていただきます。
何かとご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いたします。

4. 家族葬に参列してもらわない知人・友人への連絡

家族葬には本人の勤務先の上司や同僚、仕事関係者、一般の友人や知人等は基本的に参列しません。電話で「亡くなったこと」「亡くなった原因と場所、時間」「家族葬で送ること」「ご会葬はご辞退させてください」の3点を伝えます。

家族葬では一般的に香典も辞退しますが、香典(こうでん)や弔電(ちょうでん)、供花(きょうか・くげ)を送りたいという申し出もあるでしょう。その場合は相手の気持ちを汲んで受け取った方がスムーズです。

送り先は葬儀会場、故人自宅、喪主自宅になりますので、送り先の住所や連絡先を伝えます。供花を葬儀式場に送ってもらう場合は、式場や祭壇に見合ったお花を用意してもらえるので葬儀社に依頼するといいでしょう。その場合は、葬儀社の連絡先を知らせます。

家族葬へ参列してもらわない人へ伝える内容
  • 故人の名前
  • 連絡している自分の名前と故人との関係性
  • 亡くなったこと
  • 死亡した原因、日時と場所
  • 故人の年齢
  • 葬儀は家族葬で行う旨
  • 香典、弔電、供花は辞退する旨
  • 自分の連絡先
(香典、弔電、供花などを受け取るのであれば、上記に加えて送り先を伝える)
  • 送り先名称(葬儀会場、故人自宅、喪主自宅など)
  • 送り先住所・電話番号
  • 喪主の名前
  • 葬儀社を通して供花を送ってもらう場合は葬儀社の連絡先
家族葬に参列してもらわない相手への電話例

○○○○(故人の名前)の妻の○○(自分の名前)と申します。
□□の際は大変お世話になりました。
突然の連絡で驚かれるかと思いますが、夫が昨夜○時に○○(死因)で○○(死亡場所)にて亡くなりました。
故人の遺志により葬儀は家族、近親者のみの家族葬でとり行うことになりました。
なお、ごく内輪の葬儀でございますので、香典・供花などのお気遣いなさいませんようお願いいたします。
急なことで何かとご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いたします。

5. 家族葬に参列してもらいたい知人・友人への連絡

家族葬だが故人の親友などに参列をお願いする場合は、必ずその方々に個別に電話で連絡します。まず「亡くなったこと」「死因や場所、時間」、「葬儀は家族葬であること」を簡潔に伝えます。通夜・葬儀の詳細は決まってから連絡します。

参列してほしいと連絡を受けた人は、一般葬と違って他の人に連絡をまわす必要はありません。もし、誰かに葬儀について聞かれたら、「葬儀は家族葬、近親者のみで行うそうです。」とだけ答えておきます。

遺族から、参列してもらう予定の親しい友人2、3人だけに訃報を知らせたしても、亡くなったことが人づてに伝わっていくことがあります。また、臨終から、家族葬でやると決めるまで時間があいた場合も、その間に訃報だけはどんどん伝わっていくこともあるでしょう。

葬儀は結婚式と違い、招待制ではないのが一般的なので、「家族葬」という設定だとしても、参列したいという人がいれば、なるべく参列していただくようにしたほうが、摩擦は防げるでしょう。

しかし参列者が増えれば、結果的に葬儀の規模が大きくなり、「家族葬」の趣旨はなんだったのか、となることもあります。参列したい人が多くなりそうな場合は、きっぱり友人・知人の参列はすべてお断りするのも1つの手です。参列していただいた友人と、参列したかったのにできなかった友人との間で摩擦が生じるのを避けられます。

一般葬やお別れの会(偲ぶ会)も検討

参列したい方が多いと予想される場合は、いっそ家族葬でなく一般葬にする、ということも検討すべきでしょう。もしくは、通夜・葬儀は親族のみにしておき、友人・知人向きには、後日改めて、お別れの会(偲ぶ会)をもつという手もあります。

さらにもし準備の時間があるならば、できれば生前に本人から参列してもらいたい人の情報をえておきたいところです。エンディングノートや手帳に書き残しておいてもらえるといいでしょう。それが「故人の遺志であった」、と第三者に説明しやすいからです。

家族葬に参列してもらう知人に伝える内容
  • 故人の名前
  • 連絡している自分の名前と故人との関係
  • 亡くなったこと
  • 死亡した原因、日時と場所
  • 故人の年齢
  • 葬儀は家族葬で行う旨
  • もし誰かと亡くなったことや葬儀について話す場面があれば「家族葬なので身内だけで行う」ことだけ話してほしいとお願いする。
  • 自分の連絡先
(決まっていれば、または決まり次第)
  • 通夜・葬儀の形式・宗教宗派・日時
  • 通夜・葬儀会場の住所・連絡先
家族葬へ参列してもらう知人への電話文例

おはようございます。
○○○○(故人の名前)の妻の□□(自分の名前)です。
○○(相手の名前)さん大変ごぶさたしております。
急な電話での連絡で申し訳ありません。
実は今朝、夫が○○(死因)のため□□(死亡場所)で亡くなりました。
故人の遺志で葬儀は近親者のみで行いますが、○○さんには参列をお願いしたいと思います。
皆様には葬儀のことでもしお話されることがもしありましたら、葬儀は家族葬、近親者のみで行うとだけ、お伝えください。
通夜・葬儀につきましては詳細が決まり次第ご連絡させていただきます。
何かありましたら私の携帯(番号)までご連絡ください。
何かとお世話になりますがどうぞよろしくお願いたします。

家族葬へ参列してもらう知人へのメール・LINE・FAX文例

件名:○○○○の葬儀日程

○○○○の妻の□□です。
葬儀の日程などが決まりましたのでご連絡します。
なお、故人の遺志により近親者のみで家族葬を行う予定です。

死亡者氏名:○○○○(享年○歳)
死亡日時:○○年○月○日 ○時○分

通夜:○月○日 午後○時~
告別式:○月○日 午前○時~
場所:○○斎場
(式場住所・電話番号)
宗教:仏式(○○派)

故人:○○(住所、連絡先)
喪主:○○(住所、連絡先)

6. 事後報告

通夜・葬儀に参列してもらわなかった人には、葬儀後に電話や死亡通知状で「亡くなったこと」「葬儀を済ませた」ことを知らせ、「連絡が遅くなったこと」をお詫びしましょう。

死亡通知状は、葬儀を済ませた後に、喪主など遺族の代表者が「亡くなったこと」「すでに葬儀を終えたこと」を知らせ、「生前のお付き合いに対するお礼」を述べるために出すはがきです。葬儀後1週間をめどに送ります。

相手によっては葬儀後にメールで知らせる場合もあるでしょう。「亡くなったこと」「葬儀をすでに終えたこと」「連絡が遅くなったお詫び」を伝えます。

訃報を受けた人は弔問、供花や線香を送る、といった対応を申し出てくれることもあると思われますので、その場合は、弔問先や送り先の住所、連絡先を伝えます。

電話や死亡通知状、メールの文例をご紹介します。

葬儀後の電話連絡文例

○○○○(故人の名前)の(続柄)の□□(自分の名前)です。
急なお電話での連絡で申し訳ありません。
実は父○○が先週水曜日〇月〇日に永眠いたしました。
故人の遺志により葬儀は近親者のみで〇月〇日にとり行いました。
ご連絡が遅れましたことどうぞお許しください。

死亡通知状の文例

母〇〇〇〇儀 去る○月○日○時 ○○歳で永眠いたしました
葬儀は生前の故人の遺志により ○月○日 葬儀は身内のみにて相すませましたことを遅ればせながらご報告いたします
亡母が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに 謹んでご通知申し上げます

〇〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇
外  親戚一同

葬儀後の死亡連絡メールの文例1

(続柄)○○○○(故人の名前)が去る○月○日〇〇歳の生涯を閉じました。
本来なら早くお知らせすべきでしたが、通知が遅れました事を深くお詫び申し上げます。
なお葬儀は○月○日家族葬で相済ませました。
ここに生前のご厚誼を深謝申し上げます。

葬儀後の死亡連絡メールの文例2

(続柄)〇〇〇〇(故人の名前)が○月○日○時○○歳で亡くなりました。
○○(病名等)のため○○月から入院治療中でした。
葬儀は○月○日故人の遺志により○○(葬儀場所)にて近親者のみで行いました。
ご連絡が遅れましてまことに申し訳ありません。
生前の(続柄)との長く温かいお付き合いに心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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本記事では葬儀の形式が「家族葬」の場合の訃報の伝え方についてまとめましたが、「一般葬」の訃報の連絡についてはこちらの記事をご参照ください。

Text by:AISA
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