お葬式後に改めて故人の親しい人たちを集めて開催されるお別れの会(偲ぶ会)。かつては、会社経営者、著名人、芸能人などが大人数招いて行うイメージでしたが、昨今では一般の方でもお別れの会を開催することが増えてきました。葬儀は人数を絞った家族葬である分、日をおいて友人知人など招いたお別れの会をもとうと考える人が増えているのかもしれません。

実際にお別れの会を主催した方、出席した方は、「やって良かった」「出席して良かった」と良い反応が多く、今後も増えていくように思われます。今回は、現在行われているお別れの会の具体的な内容をご紹介します。

お別れの会の趣旨

通夜や葬儀は、故人に別れを告げる場であると同時に、死者を供養する宗教儀式としての意味が大きいでしょう。一方、お別れの会は、宗教儀式としての形式にはとらわれず、故人の良き思い出を偲び、親交があった人たちがじっくりと故人と向き合う時間と言えます。

また葬儀の場合、突然の死に、故人の思い出にひたるような余裕がない場合が多いでしょう。悲しみのほうが先行し、思い出話をしたくても、それができないこともあるでしょう。時間をおいて、お別れ会をすることで、気持ちに余裕を持って故人との最後の思い出を作ることができます。

さらに、遺族にとっては、故人がお世話になった方にあらためてゆっくりとお礼を言うことでけじめがつき、それが癒しとなることもあります。故人を介して親交のあった方どうしや遺族との縁は切れてしまいがちですが、ご縁をつないでいく場にもなりえます。

お別れの会を開いてもらえるのは、故人の人徳と言えます。そういう方が家族であった、友人であった、同僚であったというのは、とても素晴らしいことだと感じます。

開催する時期は?

宗教儀式ではないので、いつまでに開催しなければという決まりはありません。一般的には、葬儀を行ってから2週間から2ヶ月後に行うことが多いようです。一周忌や四十九日のタイミングに合わせて行うケースもあります。

主催者は誰?

配偶者、子供、兄弟、孫などの喪主や遺族が主催となることが多いようですが、親しい友人、同じ職場の方などが主催者になることもあります。遺族でない方が主催となる場合は、十分に遺族に相談、配慮しながら準備をすすめましょう。

大切なのは、コンセプト

通夜、葬儀・告別式と異なり、お別れの会は誰しもが行うものではありません。お別れの会にこれまで出席したことのない方も多いでしょう。だからこそ、お別れの会を行う理由をはっきりさせ、会のコンセプトを明確にすることで、参加者への礼も尽くせますし、充実した会にできるでしょう。

例えば、「故人の趣味の友達を多く招待して、故人が愛した趣味の思い出を語ってもらいたい」というコンセプトにするとします。そうなれば、招待客も、会場に展示する思い出の品や写真などもおのずと決まるはずです。形式にとらわれずに行えるものであるからこそ、故人ならではの会にすることで、招待客にもよい時間を過ごしてもらえるのではないでしょうか。

具体的な内容・プログラムは?

きまりがはあるわけではありませんが、以下のような内容が一般的に行われます。

・主催者からの挨拶と感謝の言葉

人によっては苦手な方もいるかもしれませんが、わざわざ足を運んでくれた方たちに挨拶と感謝を述べることは必須です。難しいことを言う必要はありません。何を言うべきか分からなくなってしまいそうなら、文章を書いたメモを用意しましょう。ゆっくりと、丁寧に心を込めることが大切です。

・故人の経歴などの紹介

写真や動画などを交えながら、故人の半生を振り返り、経歴を紹介します。身内の人間や友人が主催する、血縁者や友達を中心とした会ならば、堅苦しい履歴書のようなものではなく、この場合、エピソードを交えながら、故人の人柄が偲ばれる内容が良いでしょう。

・献花

故人の大きな写真が祭壇に置かれ、そこに献花台が設けられることが多いです。必ずしも必要なものではありませんが、献花することで、一人ひとり故人と向き合い、お別れをすることができます。

・黙祷

宗教性に関わりなく、故人に祈りを捧げる厳粛な時間を持つことができます。

・音楽など余興

必須ではありませんが、故人が賑やかなことが好きだったり、音楽などが好きだったりする場合は、音楽などの余興があると良いでしょう。

その他にも、焼香、弔辞(友人のスピーチなど)、写真撮影などが行われることが多いようです。

会場に用意するもの

お別れの会の会場では以下のものを用意します。

・受付

一般の方のお別れの会は、招待された方のみでの会費制であることがほとんどです。しかし、ある程度の人数は招待しますので、受付は必要になります。

・招待した人数分の席

規模の大きな著名人のお別れの会の場合食事は用意されないことも多いようですが一般の方のお別れの会の場合、食事を用意することが多いようです。立食の場合は、席は必要ありません。リラックスして食事・歓談してもらいたいならば立食よりも着席のほうがよいでしょう。

・故人の写真や思いでの品などの展示

通夜や葬儀などにはないお別れの会ならではの演出と言えるのが、故人の写真や思い出の品などの展示です。会場にはある程度の余裕のあるスペースが必要になるでしょう。招待された方にとっても感慨深いものになるでしょう。

会場選びは?

大人数でのお別れの会は斎場で行うのが一般的でしたが、現在では少人数で行うお別れの会もあり、ホテル、レストランなどでも行えます。ホテルでは、そうしたニーズに応えてお別れの会のための専用プランもあります。ホテルなら、斎場とは異なり、招待客が楽しめるようにおもてなしするのは得意分野であり、会場のセッティング、案内、料理なども行き届いていることが多いです。レストランの場合も、料理にこだわりたい方にはおすすめできます。ただし、ホテルやレストランは、斎場とは異なり、読経や焼香はできない場合も。読経や焼香がしたいなら斎場がふさわしいでしょう。

その他に、故人のゆかりの場所でお別れ会を行う場合もあります。例えば、故人がお店の経営者だったらそのお店で一緒に働いていた方を招いて行うことも。もちろん、自宅を選ぶ場合もあります。スペースや料理や立地などの問題がありますが、その会のコンセプトにぴったりな会場がベストと言えるでしょう。

お別れの会の費用計画

お別れの会の費用は、行う会場、招待する人数、料理の内容、食事などにより決まりますが、食事代と場所代が費用の中心で、目安としては人数×8,000~20,000円くらいと考えて計画するとよいでしょう。司会者やピアノ演奏などを依頼するとさらに上乗せになります。

参加者からは、会費として集めるか、香典とするかで収入の予算計画の難易度が変わります。決まった金額の会費制とすれば予算計画はしやすくなります。

内容を充実させたいからといって、会費を高く設定しすぎては最後に故人の評判に泥を塗ることになり、会を開催することが仇になってしまいます。一般的な会費の相場で集められる金額以上に費用がかかりそうな場合は、主催者自身がどれくらい予算を出せるかをまずはしっかり把握しましょう。

会費か、香典か?

お別れの会は会費制で行うことが多いです。会費は一人8,000~20,000円ほどとするのが相場です。会費制の場合は、案内に会費制であることと金額を明記します。会費とは別に香典をもってくる参列者がいた場合、香典は辞退することが多いでしょう。香典を辞退する場合はその旨案内にも明記しておきます。

会費制にしない場合は、香典という形で、各々が判断して持ってこられることになります。食事や飲み物を用意する場合は、10,000~20,000円ほど包んでこられる方が多いようです。

会費も香典も必要のない場合は、両方辞退する旨を案内に明記しましょう。

また、ある人からは香典をいただき、ある人からはいただかない、というような対応のばらつきが見えてしまうと、招待客同士が気まずくなりかねないので、方針は一貫するようにしましょう。そうすることで、多くの方が気軽に出席しやすくなります。

案内状の出し方・内容

一般的にお別れの会の案内は、封書で、案内状はカードの形で送ります。返信用ハガキも同封します。二つ折りか、単カードか、どちらかになりますが、丁寧な印象を与える二つ折りのカードを使用する方のほうが多いようです。案内状に記載すべき最低限度の内容は以下の通りです。

  • 誰のお別れの会なのか
  • 感謝の言葉
  • 開催場所、開催日時
  • 会費、香典について
  • 服装について

形式にとらわれる必要のない会ではありますが、招待する方に礼を尽くすことは大切。喜んで出席していただけよう、丁寧な文面を心がけましょう。

ホテルのお別れの会、お別れの会プロデュースサービス

お別れの会の企画や運営を請け負うサービスは多数存在します。例を挙げておきます。

著名なホテルでの行き届いたお別れの会サービス 「東京ドームホテル」

著名なホテルでのお別れの会というと、大規模でフォーマルな会のイメージがありますが、東京ドームホテルでは、個人が取材する規模の小さめのお別れの会の提案を行っています。会のコンセプト作り、案内状作成、会場の設置、演出など、きめ細かくサポートしていますので、お別れの会がしたくてもどのように進めていいか分からない、自分では思うように準備に動けない方にはおすすめです。

東京ドームホテル (外部リンク)
 

その人らしさを大切にするお別れの会サービス 「Story」

お別れの会をプロデュースする業者といえば、まずは葬儀社や斎場があります。その場合、会場も内容も固定化されていることも多いですが、もっと自由に、故人らしい会にしたいと考える方のために、お別れの会をプロデュースする専門業者もいます。「Story」では形式にとらわれない、カジュアルなお別れの会を提案しており、やりたくても素人では準備しきれないこともサポートしてもらえます。

Story (外部リンク)

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家族葬のみにしようとしたのに、後から知人や友人からの連絡が多くお別れの会をすることになったというパターンも多数あるそうです。家族葬を考えている方は、お別れの会のことをあらかじめ検討してみると良いのかもしれません。