所有者のわからない遺骨はどこへゆく

所有者がわからない骨壺・遺骨が発見されたとして、その持ち主が分からない場合は、まずは財布やスマートフォンなどと同じように「遺失物」つまり忘れ物として扱われます。駐車場や公園、サービスエリアなどで発見された場合は最寄りの交番や管轄の警察署に届けられます。電車やバスなどの交通機関の場合ですが、各鉄道会社に問い合わせたところ、一般的な忘れ物とまったく同じ扱いとして一定期間は鉄道会社側で保管する会社と、ただちに警察に引き渡すという鉄道会社の2パターンがありました。それぞれの鉄道会社から聞き取った「所有者のわからない遺骨」の扱い方を記します。

JR西日本

骨壺も一般的な忘れ物と同様の取り扱いです。いったん駅へ集められ、一定期間保管し所轄の警察署へ引き渡されます。
(西日本旅客鉄道株式会社 CS推進部 JR西日本お客様センターより回答)

東京メトロ

骨壺と一般的な忘れ物の取り扱い方法が異なります。一般的な忘れ物は、東京メトロ南北線飯田橋駅構内にある「お忘れ物総合取扱所」に集められて3~4日保管され、それ以降は警視庁遺失物センターに移送されます。しかし駅や「お忘れ物総合取扱所」に届いた骨壺は、「遺失物」として最寄りの交番や警察署に引き渡されます。
(東京地下鉄株式会社広報部 広報課より回答)

東京都交通局(都営地下鉄および都バス)

骨壺も一般的な忘れ物と同様の取り扱いです。以下のような流れで持ち主が判明しない場合は警察に引き渡されます。

  1. 都営地下鉄では拾得または届出当日は、拾得または届出があった駅へ保管されます。都営バスでは、路線を管理する営業所(事業所)に保管されます。
  2. 翌日に各駅を管理する駅(都庁前駅、練馬駅、市ヶ谷駅、巣鴨駅、高島平駅、上野御徒町駅、馬喰横山駅、本八幡駅、新橋駅、門前仲町駅、浅草橋駅、大門駅、青山一丁目駅、五反田駅、日比谷駅、神保町駅)へ集められます。終点駅である西馬込駅、西高島平駅、光が丘駅は、各駅でお忘れものセンター回送日まで保管されます。
  3. 忘れ物は拾得した日を含めて原則3日目に「お忘れものセンター」へ送られます。
  4. 「お忘れものセンター」に送られた忘れ物は、拾得または届出の日から1週間以内の日までに持ち主が判明しない場合は、警視庁遺失物センターへ引き渡します。

(都営交通お客様センターより回答)

各交通機関などから、警察に届けられた骨壺は、遺失物法の規定に基づいて持ち主の所有権が無くなるまでの3か月間、警察が保管します。保管期間が過ぎても持ち主が見つからない場合は、警察が寺院や自治体に引き取りを依頼することになります。