東京23区に公営の小規模火葬場を新設へ|5基程度・分散配置・5年程度で稼働を目指す案の中身と、決まっていないこと

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(c) Gemini / AI Generated

東京23区の火葬料金の高騰と、将来の火葬能力の不足を受けて、23区内に公営の小規模火葬場を新設する方向で検討が進んでいます。2026年10月13日に特別区長会が新設事業に着手する方針を固めたと報じられ、翌14日の東京都の検討会で、都が新設案を示しました。

この記事では、報じられている案の中身と、まだ決まっていないこと、課題とされる点を、2026年10月15日時点の報道・公表資料をもとに整理します。

index 目次

新設の検討、何が報じられたのか

読売新聞オンラインは10月13日、23区の区長でつくる特別区長会が、公営火葬場の新設事業に着手する方針を固めたと報じました。10月14日に開かれた東京都の検討会(「火葬場に係る検討会」)では、都が23区内に公営の小規模火葬場を新設する案を示したと、TBSなどが伝えています。

この検討会は、都が2026年6月に設置したものです。都の公表によると、2026年度末(2027年3月)を目途に検討結果をまとめる予定です。検討会の設置の経緯や第1回までの議論は、東京の火葬料はなぜこんなに高い?多死社会と都の検討会、「外資」の噂の真相で解説しています。

現時点で決まっていないこと

  • 具体的な設置場所と整備の時期(報道では「今後議論される」とされています)
  • 新設する火葬場の料金の水準(報道の範囲では示されていません)
  • 新設する施設の数(「複数」という案の段階です)

あくまで「検討・方針の段階」であり、すぐに新しい火葬場が使えるようになるわけではありません。

23区の火葬場9施設と、新設案の位置づけ

世田谷区が2025年9月に公表した資料をもとに、現在の23区の火葬場を整理すると次のとおりです。

火葬場名 所在区 設置主体 火葬炉数
臨海斎場 大田区 臨海部広域斎場組合(世田谷区・港区・品川区・目黒区・大田区) 10
瑞江葬儀所 江戸川区 東京都 10
落合斎場 新宿区 民間会社 10
桐ヶ谷斎場 品川区 民間会社 12
代々幡斎場 渋谷区 民間会社 10
堀ノ内斎場 杉並区 民間会社 8
町屋斎場 荒川区 民間会社 12
四ツ木斎場 葛飾区 民間会社 12
戸田葬祭場 板橋区 民間会社 15

公営は臨海斎場と瑞江葬儀所の2か所だけで、23区のうち火葬場が置かれていない区も多くあります。今回の案では、そうした火葬場のない区が有力な候補地とされています(TBS)。読売新聞によると、全国の火葬場の97%は公営ですが、23区では9施設のうち7施設が民営です。

「小規模火葬場」の案とは

上の表のとおり、現在の23区の火葬場は1か所あたり8〜15基の炉をもつ規模です。これに対して、読売新聞が報じた案は次のとおりです。

  • 5基程度の炉をもつ小さな施設を、複数、分散して配置する
  • 将来の人口減を見据え、組み立てや撤去がしやすい簡易型の施設も想定する
  • 5年程度での稼働開始を目指す
  • 都は、都有地の提供も視野に区を支援する

大きな敷地を確保しにくい都市部でも整備しやすいことが、小規模・分散型のねらいと考えられます。読売新聞は、用地確保に悩む他の都市にとっても参考になりうると伝えています。

壁は「250メートル」の距離規制と住民の理解

新しく火葬場をつくるときは、条例で原則として住宅から250メートル以上離すことが定められています。読売新聞によると、この基準は野焼きもしていた明治期に由来するとされ、環境性能が高い新型炉には合理的でないという指摘もあります。TBSによると、都はこの規制の緩和についても検討を進める方針です。

一方で、住民の理解は欠かせません。読売新聞は、環境面の科学的な議論に加えて、情報の開示と丁寧な説明が求められると指摘しています。

火葬料金はどうなる?

読売新聞によると、23区と都は、公営火葬場の新設で火葬能力を増やし、料金の引き下げも主導する必要があると判断したとされています。

ただし、新設の稼働開始は5年程度先を目指す案であり、いま利用する火葬場の料金がすぐに変わるわけではありません。新しい公営火葬場の料金の水準や、既存施設の料金への影響は、報道の範囲では示されていません。

現在の料金の目安として、読売新聞は、民営の火葬場は多くで8万円を超え、公営は4万〜5万円台と伝えています。具体的な金額は施設や区分によって異なるため、【要確認】のうえ、各火葬場の公式案内や葬儀社の見積書で確認してください。

新設が検討される背景

背景は、大きく3つ報じられています。詳しくは、それぞれの記事で解説しています。

いま利用者ができる備え

新設が実現するまでの間にも、できることがあります。

  • 見積書で火葬料金を確認する:どの火葬場の、どの区分での金額なのか、葬儀社に確認しましょう。
  • 公営の火葬場という選択肢を知っておく:瑞江葬儀所(江戸川区)は東京都が経営する火葬場で、都の利用案内では、都内在住者に限らずどなたでも利用できるとされています。臨海斎場(大田区)は、港区・品川区・目黒区・世田谷区・大田区の5区の広域組合が運営しています。利用条件・空き状況は事前に各施設へご確認ください。
  • 負担を軽くする制度を調べる:区民葬、葬祭費・埋葬料の給付、葬祭扶助などがあります。→ 死んだらかかる「本当の最小限費用」とお金をかけずに葬儀をする方法
  • 流れと手続きを確認しておく:火葬の段取りと法要・儀式、火葬のための手続きと「火葬許可証」

火葬のあとの費用も考えておく

火葬料金は、葬儀費用の一部にすぎません。火葬のあとに遺骨をどこへ納めるかによっても、費用や手間は大きく変わります。

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まとめ

  • 特別区長会は公営の小規模火葬場の新設事業に着手する方針で、都も10月14日の検討会で新設案を示しました。
  • 5基程度の炉をもつ小規模施設を複数、分散して整備する案で、5年程度での稼働開始を目指すとされています。
  • 設置場所や時期、料金の水準はまだ決まっていません。都の検討会は2026年度末を目途にまとめる予定です。
  • すぐに料金が変わるわけではないため、見積書の確認や公営火葬場・公的制度の情報収集が、いまできる備えです。

本記事は2026年10月15日時点の情報をもとにしています。新しい発表があり次第、更新します。

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出典・参考資料

本記事で使用した数字・事実の出典です(最終確認日:2026年10月15日)。

※23区の火葬場の一覧表は、世田谷区の資料(2025年9月3日)をもとにSOBANI編集部で整理しました。新設案の内容は報道および都の公表資料に基づくもので、設置場所・時期・料金などは今後の議論で変わる可能性があります。

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、法律・税務・宗教上の判断を要する内容については、個別の事情により対応が異なる場合があります。具体的な手続きやご判断にあたっては、専門家(弁護士・行政書士・税理士・菩提寺など)にご確認・ご相談いただくことをおすすめします。

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Text by:SOBANI編集部
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