適度な距離感で助け合う 親子「近居」のメリット・デメリット

老後のことを考えたときに、将来親世帯または子世帯と同居すべきか悩んでいる人も多いでしょう。今回は親世帯と子世帯がそれぞれ近距離で別居する「近居」についてご紹介します。適度な距離感を保ちながら、子育てや介護などを互いに助け合える近居のメリット・デメリットを確認しながら、将来の居住スタイルを考えていきましょう。

index 目次
  1. 1. 近居とは
  2. 2. 近居のメリット・デメリット
    1. 2-1. 近居のメリット
    2. 2-2. 近居のデメリット
  3. 3. 自治体による近居を支援する制度

1. 近居とは

近年増加している「近居」とは、どのようなライフスタイルなのでしょうか。

近居とは

「近居」とは、親世帯と子世帯が日常的に行き来できる近距離に別々に住むことです。国土交通省による調査では、徒歩に限らず、電車や車を使って1時間以内で移動できる位置に住むことを「近居」としています。

近居の割合

近年、親と子が近くに住む「近居」を選択する世帯(「親子近居世帯」)が増加しています。2006年の国土交通省の調査によると、既婚者とそのどちらかの親が同居する世帯の割合は全体の約23%、近居は約52%です。また現在、親世帯と1時間以上の距離に別居している既婚者のうち、将来的に近居を希望する人は約45%を占めています。

参考

国土交通省「既婚者とその親との住まい方-「近居」を中心とした実態と将来意向-」[pdf](外部リンク)

2. 近居のメリット・デメリット

なぜ近居を選択する人が多いのでしょうか。メリット・デメリットについて考えましょう。

2-1. 近居のメリット

近居には多くのメリットがあります。

程よい距離感

近居は親世帯と子世帯が近い場所にそれぞれの住居で暮らします。互いに干渉することなく、自分たちの生活習慣や価値観、プライバシーを保ちながらの生活が可能です。用事があるときや遊びに行きたいときも気軽に訪問しやすいので、程よい距離感をキープしながらの交流が可能です。

同居の場合は、円満に生活するためにも親と子が互いに気を使いあう必要があります。生活スタイルを合わせたり、家事のやり方で違いが生じたりする可能性もあり、多少のストレスを感じるでしょう。同居するうちに、円満だった関係に溝が生まれる恐れもあります。

1時間以上離れた場所に暮らす場合は、お互いの家を訪れる際には宿泊を伴うこともありますし、交通費もかかります。手土産や食事にも気を配らなければならないなど、往来にかかる負担も大きいでしょう。

プライベートを保ちながらのサポート

近居であれば何かトラブルが起きたときもお互いにすぐに駆け付けることができます。とくに「スープの冷めない距離」といえる徒歩圏内に住んでいれば、プライベートを保ちながらのサポートも可能です。誰かが体調を崩したら自宅で調理した料理を運んだり、看病することができますし、サポートする側は用事が済めばすぐに帰宅したりできるでしょう。

お互いの家の移動にかかる時間がそれほど要らないので、空いた時間にサポートがしやすく、仕事を休んだり生活リズムが乱れたりする恐れも少なくなります。もし旅行などで家を空ける際は、変わった点がないかといった家の防犯チェックや、花の水やり、ペットの世話なども頼みやすいでしょう。

子育ての支援

近居であれば、互いの家を行き来する回数が多くなるでしょう。子世帯に孫がいる場合は、祖父母も成長を間近に感じることができ、老後の生きがいになります。子世帯も親世帯に育児の相談や子どもの世話のお手伝いを頼みやすくなるでしょう。孫は親だけではなく祖父母からも愛情をたくさん受けて育つことができます。

同居の場合も同じようなメリットがありますが、一緒に生活する分、子育てへの関わり方がより深くなります。子育て方法につい口を挟んでしまったり、意見が食い違ったりしてトラブルになる可能性もあります。

老後の世話

今は元気だとしても、年を重ねていくと思わぬ病気や怪我をしやすいものです。親世帯にとって近くに頼れる子世帯が住んでいるのは心強く、子世帯もすぐに親の様子を確認できるので安心です。

距離が近い同居の方が世話や介護はしやすいかもしれませんが、一日をともに暮らすのでお互いのストレスが大きくなる可能性があります。住居が離れている場合は、世話をする度に移動時間や交通費をかけて訪問しなければならず、労力、時間、金銭の面でも負担が大きくなります。すぐに親の様子を確認することもできないので、不安を感じることもあるでしょう。

2-2. 近居のデメリット

親世帯と子世帯の近居には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。

往来が面倒

家が近いので、些細な困りごとでも頻繁に呼び出される可能性があります。同居であればすぐに対応できることも、近居は行き来しなければなりません。たとえ同じ町内であったとしても、何度も互いの家を往復するのはわずらわしいものです。逆にいえば、家が近いからといって子が親を、親が子を頻繁に訪問する可能性もあります。同居・別居に限らず、相手のことを考え、思いやりを持って互いに接することが大切です。

きょうだい間の介護分担

近居を始める前に、親が介護を必要とする状況になった場合はどのようにサポートをするか、きょうだい間でよく話し合っておきましょう。介護は突然始まるケースが多くなっています。きょうだいの誰かが近くに住んでいるからといって、介護を押し付けられてトラブルになるケースもあります。介護される親側の意思も確認しながら、金銭や介護の負担をどのようにきょうだいで分担するか事前に相談しておくことが大切です。

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3. 自治体による近居を支援する制度

新たに近居を始める場合には補助金を支給する自治体があります。その背景に2015(平成27)年一億総活躍国民会議の、世代間で助け合いながら子育てする支援を行うことによって、子育てへの不安の緩和や負担の軽減につなげたいという取りまとめがあります。「多世代近居同居助成」「三世代近居同居支援」「親世帯・子育て世帯近居同居支援」など、自治体によってさまざまな名称がありますが、親子近居を対象とした行政支援の例をいくつか紹介します。自治体ごとに条件や補助金の給付額が異なりますので、親世帯が住んでいる自治体のサイトなどをチェックしてみましょう。

福島県

子育てや高齢者の見守りなどを世代間で支え合うために、新たに多世代で同居・近居するために住宅取得する人を対象とした支援です。三世代以上の多世代で同居または2km以内の距離に近居するために住宅取得することや、今後3年以上同居・近居を続けることなどが条件です。上限110万円として、住宅取得や増改築にかかる経費などが給付されます。この補助金の交付には抽選があり、令和2年度は応募戸数135件に対して当選件数37件と倍率3.65倍となりました。

福島県多世代同居・近居推進事業(外部リンク)

千葉市

高齢者の孤立防止や家族の絆を深めることを目的とした、三世帯家族の同居・近居を対象とした助成です。千葉市内に在住する親世帯と離れて暮らす子世帯(18歳未満の子供を含む)が、千葉市内で同居または1km以内の近隣に住むこと、今後も3年以上住み続けることなどが条件です。新築・改築だけではなく、貸家に引越する場合も支援が受けられます。

助成1年目:新築費用・改築費用・引越費用など(新築・改築は上限100万円、貸家は上限50万円)
助成2、3年目:固定資産税・都市計画税・家賃など(限度額15万円)

千葉市三世代同居・近居支援事業(外部リンク)

広島市

親の住む広島市内に子供世帯が同居または1.2km以内の距離に近居するために住み替える場合に受けられる支援です。子育てや介護の支え合い促進と地域コミュニティの次世代の担い手を確保することを目的としています。住み替え先は持ち家・マンション・賃貸のいずれも対象ですが、住み替え後に町内会に入ること、小学生以下の子供が同居していることなどの条件があります。上限は10万円で、引越費用や礼金などが支援されます。費用助成の受付件数が年度によって決まっており、令和2年度は120件で先着順となっています。

広島市三世代同居・近居支援事業(外部リンク)

Text by:Licca
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