「高齢社会白書」からみる高齢化の現在と2065年の日本

内閣府から「令和元(2019)年版高齢社会白書」が公表されました。これは基礎的な統計をもとに高齢化の現状と、将来推計人口から令和47(2065)年の日本社会を予測したものです。

この高齢社会白書の内容とグラフを引用しながら、次の3世代の女性を設定し、現在と将来の日本の高齢化率、出生数と死亡数、平均寿命を見ていきたいと思います。

  • 「母」:1949年(昭和24年)生まれ
  • 「私」:1977年(昭和52年)生まれ
  • 「娘」:2007年(平成19年)生まれ
index 目次
  1. 1. 4人に1人が高齢者
  2. 2. 出生数の激減
  3. 3. 死亡数の激増
  4. 4. 延び続ける平均寿命

1. 4人に1人が高齢者

高齢社会白書から抜粋
  • 我が国の総人口は、平成30(2018)年10月1日現在、1億2,644万人となっている。
  • 65歳以上人口は、3,558万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も28.1%となった。
  • 65歳以上人口を男女別に見ると、男性は1,546万人、女性は2,012万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は76.8であり、男性対女性の比は約3対4となっている。
  • 我が国の総人口は、長期の人口減少過程に入っており、令和11(2029)年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、令和35(2053)年には1億人を割って9,924万人となり、令和47(2065)年には8,808万人になると推計されている(図1-1-2)。
内閣府/高齢化白書から

日本の総人口は2018年現在で約1億2千万人。65歳以上の高齢者が総人口に占める割合(高齢化率)は28.1%に達し、日本人の4人に1人以上が高齢者です。4人に1人は高齢者、と言われて久しいような気もしますが、実際に4人に1人を突破したのは国勢調査によると2013年です。

「4人に1人」と言われてもピンとこない方もいるかもしれませんが、私(42歳)が小学生だった1985年の頃は高齢化率は10.3%、つまり「10人に1人」でした。この30年で「10人に1人」から「4人に1人」までぐいぐいと高齢化比率が高まってきたのです。2035年頃にはさらに32.8%、「3人に1人」まで高まると推測されています。ただし、2055年頃の37.7%あたりからはそれほど伸びなくなり2065年は38.4%で高止まりと言った様相のようです。

団塊の世代である1949年生まれ、今年古希(70歳)を迎えた私の「母」もまた、現在4人に1人の高齢者にあたります。

ところで総人口についてですが、2007年生まれの「娘」が現在の小学校で習う日本の総人口と、1977年生まれの私が1985年の小学生の時に習った日本の総人口は、どちらも約1億2千万人程度と、人口数でいえばそれほど変わりません。

最近は平日の昼間にバスに乗ると高齢者ばかり、70代のおばあさんが80代のおばあさんに席を譲るなど、高齢者同士で席を譲り合う光景も見られます。しかし、1980年代のバスの車内は高齢者もまばらだったのでしょう。人口規模は同じでも、平成生まれの私の「娘」が見ている景色と、昭和生まれの「私」が子供時代に見ていた景色はずいぶん違います。

65歳以上の高齢者の男女比は約3対4とありますが、これは女性の寿命が長いためで、「母」の周囲でも姉や友人など夫を亡くした未亡人が少なくありません。

2. 出生数の激減

高齢社会白書から抜粋
  • 出生数は減少を続け、令和47(2065)年には56万人になると推計されている。この減少により、年少人口(0~14歳)は令和38(2056)年に1,000万人を割り、令和47(2065)年には898万人と、現在の半分程度になると推計されている。
  • 一方、65歳以上人口の増大により死亡数は増加、死亡率(人口1,000人当たりの死亡数)は上昇を続け、令和47(2065)年には17.7になると推計されている(図1-1-3)。
内閣府/高齢化白書から

毎年予想以上のペースで減少が進んでいるといわれる出生数。10年前の2010年は107.1万人でしたが、2020年には約90.2万人となり、2065年には55.7万人とさらに減少していくと推計されています。2065年には赤ちゃんは「今日赤ちゃん見ちゃった!」「え~すごい!」というようなめずらしい存在になるのでしょうか。

母、私、娘が生まれた年の出生数を国勢調査により比べてみると…。

  • 母:1949年(昭和24年)269.9万人
  • 私:1977年(昭和52年)175.5万人
  • 娘:2007年(平成19年)108.9万人

1947~1949年は第1次ベビーブームと言われ、中でも1949年は270万人と出生数が最高でした。団塊の世代の人に小学校時代の話を聞くとたいてい出てくるのが「脱脂粉乳」と教室がぎゅうぎゅう詰めだった、という話。戦後、増え続ける子どもに対して学校の整備が間に合いませんでした。

私が小学生だった1980年代は東京の小学校の1クラスには約40人の児童がいました。今ほど先生が一人一人をきめ細かく見なければならない雰囲気でもなく、その他大勢に紛れて机に座っていたら時間は何となく過ぎていき、やらなければならないことはそれが得意な誰かがやってくれるだろう、というような心持ちだったように思います。

現在の小学校の1クラスはおよそ25人程度のところが多いようです。教室にいる児童の数は4割減といったイメージでしょうか。そのくらいの人数だと誰かがやってくれるのを待っていてもクラスがまわらない。自分も複数の係や役割を担わなければなりません。コミュニケーションやプレゼンテーション能力を重視しているせいもあり、最近は授業参観に行くと皆よく発言しているし、積極的に学習や行事に取り組んでいる印象を受けます。

3. 死亡数の激増

死亡数は80年代から右肩上がりに増加を続け、2017年に亡くなった人は134万397人。21年後の2040年には167万人に達します。死亡数は2040年頃がピークですが、死亡率(人口1,000人あたりの死亡数)としては、2065年まで上昇していきます。

現在も火葬場は不足し、亡くなってから火葬まで一週間かかる場合もあり、火葬までの間遺体を一次的に預かる「遺体安置」ビジネスまで注目されています。今後増え続ける死亡数に対して、ますます火葬場が不足することはまちがいなく、亡くなってから火葬、葬儀をするまでに日数を要するということは予定しておいた方がいいでしょう

参考
「首都圏の「火葬場不足」現実に、「友引」の稼働も増加」/NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO96959810V00C16A2NZBP00/ (外部リンク)

4. 延び続ける平均寿命

高齢社会白書から抜粋
  • 将来の平均寿命は男性84.95年、女性91.35年
  • あ我が国の平均寿命は、平成29(2017)年現在、男性81.09年、女性87.26年と、前年に比べて男性は0.11年、女性は0.13年上回った。今後、男女とも平均寿命は延びて、令和47(2065)年には、男性84.95年、女性91.35年となり、女性は90年を超えると見込まれている(図1-1-4)。
内閣府/高齢化白書から

平均寿命は2017年は男性81.09歳、女性87.26歳。2065年には、男性84.95歳、女性91.35歳になると推計されています。

1977年生まれ、現在42歳の「私」は生きていれば2065年に88歳になります。そのとき女性の平均寿命は91.35歳…。死ぬのはもう少し先と思ってもよさそうです。最近同じ年の友人と「そろそろ平均寿命の半分くらい生きたんじゃない」などと話していましたが、それも間違いだったことに気づきます。人生はまだ折り返し地点にも達していないのでした(あと50年ある!)。老眼や白髪との付き合いは緒に就いたばかり。まだまだ「初老だわ」などとは言っていられません。

そして前段で見たとおり、2065年頃の高齢化率は38.4%の状況ですから、周りはおじいちゃん、おばあちゃんだらけ。58歳になる「娘」などはまだまだ若手としてもてはやされ、青春を謳歌中かもしれません。

参考
内閣府「高齢社会白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html (外部リンク)
Text by:AISA
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