現在、日本で新築される一戸建ては和室のない家が増えてきており、仏間にいたってはほとんど過去のものになりつつあります。しかし、いざ家族が亡くなれば故人をしのび、冥福を祈る場として仏壇の購入を考える家庭は少なくありません。そんな中、今人気が高まっているのは、コンパクトなサイズで、洋間のインテリアにも馴染みやすいミニ仏壇です。今回はミニ仏壇の相場や選び方、実際の商品を紹介いたします。

仏壇の歴史と意義

そもそも仏壇は絶対に必要なものなのでしょうか。日本の家は、特に集合住宅の場合はスペースが限られていますし、故人の遺骨はお墓にあります。仏壇を置く意義とは何でしょうか。

庶民が位牌を自宅に祀り、仏壇を置くようになったのは江戸時代。寺請制度が導入され、庶民も全てそれぞれの家が菩提寺の檀家になることを強制された後からだと言われています。仏壇とは仏教の各宗派の御本尊をお祀りする小さないわばお寺です。菩提寺に頻繁に通えない人が毎日拝むための場でした。

現在では仏教の教義や檀家としての務めという意義よりも、亡くなった家族・先祖を懐かしんだり、時には対話したり、悲しみを癒したりと、弔いの場としての意義のほうが大きくなっているといえるでしょう。また、子供たちに亡くなった方のことを話し、先祖について伝えていくなど家族のルーツを伝承するコミュニケーション場にもなります。お墓参りの代わりと思って手を合わせている方もいるようです。

ミニ仏壇と一般の仏壇の違い

ミニ仏壇があるなら、一般的な仏壇のサイズがあるのか?と考えますね。しかし、仏教の各宗派が仏壇のサイズについて規定を設けているわけではありません。

大型の仏壇の場合、高さは130㎝~160㎝ほどと、小学生の子供の背丈ほどあります。棚の上などに置く上置きタイプは、高さ40㎝~70㎝ほどのことが多いです。ミニ仏壇の場合は、一般的には高さ30㎝~50㎝ほどのものです。軽量で気軽に持ち運びできる重さであることが多いようです。

長男が一族伝来の仏壇を所有するという伝統は廃れつつありますが、それでも、いざ引き継ぐとなった場合、頭を抱える人も多いでしょう。旧来の大きく重厚な仏壇を現在の住まいには持ってこられないかもしれません。そうした場合、ささやかなミニ仏壇に置き換えて先祖を偲ぶという方も多いようです。

ミニ仏壇の素材

仏壇の価格は、素材と作る際の手間で決まります。耐久性があり木目の美しい黒檀、紫檀、鉄刀木は三大唐木と呼ばれ希少価値が高く、とても高価な素材です。ミニ仏壇の場合、そうした最も高級な素材を使用されているものはあまり見かけません。ミニ仏壇のなかで比較的価格の高い商品は、日本の銘木なら桐、輸入材なら世界三大銘木であるウォールナット、他にはハードメープルなどの素材も使われています。

比較的安価なものでよく見かけるのは、リサイクル素材であるMDF。天然とは異なり、表面処理していない場合、水や湿気に弱いです。表面に天然の木の板を張り付けものも少なくありません。

昔の仏壇は、何代にも渡って使い続けることが多く、そのため、長い年月に耐えうる素材を用いていました。しかし、そもそもミニ仏壇は多くの場合、一代限りで使われることが多いようです。想定している使用期間の違いも素材選びに影響を与えているといえるでしょう。

ミニ仏壇の相場

ミニ仏壇の価格をインターネットで調べてみると、1万円~5万円のものが主力で、最も需要が高いようです。10万円以上のものは数が少なくなりますが、しっかりしたデザインのものが多く見受けられるようになります。高いもので30万円程度、と考えてよさそうです。

ミニ仏壇の選び方

子々孫々まで伝えるものではないかもしれませんが、頻繁に買い換えるものでもありません。毎日の生活の中で長く付き合っていく存在となるミニ仏壇。しっかりポイントを踏まえて選びましょう。

1.できるだけ痛みにくい素材を選ぶ

湿気の多い日本の風土を考えると、できるだけ湿気に強い素材がおすすめ。桐は傷つきやすく、変色しやすいという面もありますが、湿気を通さないので長もちしやすいでしょう。ウォールナットは硬くて衝撃に強いため、耐久性があるでしょう。

2.置き場所のサイズを確認

例えば棚に置いてみたら飛び出している、高すぎてインテリアとのバランスが悪いといったことがないように、まずはおき場所に適したサイズを確認してください。引越しの予定がある方は、新しい部屋のことを考えてサイズを選びましょう。

3.必ずしも仏壇型でなくても良い

菩提寺と檀家の結びつきが強かった時代は、それなりにその菩提寺や宗派のルールに従うことが必要だったかもしれませんが、現代ではそれも希薄化しています。ご本尊を祀るというよりは、亡くなった故人を思ったり、対話したりという意義のほうが強まっていることもあり、あまり様式に縛られることなく自由にデザインを選ぶ人が増えています。お寺にあるような観音開きの仏壇である必要はありません。部屋と馴染みやすいもの、今いる家族がお参りしやすいもの、と考えて選べばよいでしょう。

バラエティー豊富!おすすめのミニ仏壇

仏壇というと重々しいイメージがありますが、ミニ仏壇はそれを払拭する存在です。仏壇はこうでなくてはならないという型にはまらず、亡くなった人との時間を日常生活の中で楽しめる空間を作れるものを選びたいですね。

ここでは、おしゃれでインテリアと馴染みやすい、おすすめのミニ仏壇をご紹介します。

湿気に強い総桐製!すっきりコンパクトなミニ仏壇

湿気に強い総桐製で、落ち着いた雰囲気のお部屋にぴったりなシンプルなミニ仏壇。模様もなく、天然木なので扉を閉めると他のインテリアと自然と馴染みます。幅31㎝しかありませんが、スライドテーブルが付いており、それを引き出せば仏具や供物を置けるので来客の際もお参りしてもらいやすいです。

総桐製の高級感ある仏壇(清水産業)
総桐製の高級感ある仏壇(清水産業)
生活オアシス (外部リンク)

どこでも持ち運べる、携帯型仏壇

奥行き20㎝、幅21㎝と、とてもコンパクトなミニ仏壇ならず、携帯型仏壇。自宅に限らず、旅先に、入院先に持っていって設置できます。写真立てをはじめ、花立て、香炉立てなど全て仏壇の中に収納できるようになっているのも大きなポイント。国産のブナの無垢材を使用しており、木の風合いも素敵です。

携帯型仏壇 ポーター ブナ
携帯型仏壇 ポーター ブナ

手作りだからこそ愛着が湧く ―自分で仏壇を作る!

どんな形でも、小さくても仏壇足り得るなら自分で作ってもいいのでは?仏壇を自作するというキット商品もありま。故人を思って自作すること自体素敵ですし、部屋に合わせたサイズにもしやすいですね。これだけ自由度の高いミニ仏壇なら、DIYしがいもあるのではないでしょうか。

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仏壇は故人を思い出し懐かしみ、時には対話する癒やしの場でもあります。仏壇が部屋に馴染むステキなデザインであれば、そうした祈りの時間も増えそうです。