仏壇の値段のつけられ方 相場と傾向を分かりやすく解説

数万円から数百万円にも及ぶ仏壇の値段。違いは一体どこにあるのでしょうか?この記事では、仏壇の価格相場についてだけでなく、仏壇の種類の違いや仏壇店の業態の違いが、値段にどのように反映されるのか、くわしく解説いたします。これから仏壇を買おうと検討されている方はぜひとも読み進めてみてください。

index 目次
  1. 1. 仏壇の値段を決める要素
    1. 1-1. 仏壇のサイズ-小さいものほど安く大きいものほど高い
    2. 1-2. 仏壇の様式-伝統仏壇の方が高価な傾向
    3. 1-3. 産地―原材料の産出地と加工地
    4. 1-4. 仏壇作りの手間ひま―工芸品としての細部へのこだわり
  2. 2. 仏壇の費用相場
    1. 2-1. 唐木仏壇の相場
    2. 2-2. 金仏壇の相場
    3. 2-3. 家具調仏壇の相場
  3. 3. 店舗別にみる仏壇の値段の傾向
    1. 3-1. 実店舗
    2. 3-2. ディスカウント型
    3. 3-3. ECサイト型

1 仏壇の値段を決める要素

仏壇の値段は、主に次に挙げる要素によって決まります。

  • 仏壇のサイズ
  • 仏壇の様式
  • 仏壇の原産地
  • 仏壇作りへの手間ひま

これらがどのように仏壇の値段に関わってくるのか、順番にご説明します。

1-1 仏壇のサイズ-小さいものほど安く大きいものほど高い

小さいものほど安く、大きいものほど高くなるというのは誰もが想像できるのではないでしょうか。仏壇の形は、棚や机の上に置く「上置き仏壇」と、床に直接置く「台付き仏壇」に分けられます。

上置き仏壇は、幅と高さともに40cm~60cm程度のものが一般的です。最近では「ミニ仏壇」や「厨子型仏壇」とよばれるさらにコンパクトな仏壇も販売されています。

一方の台付き仏壇は、居間やリビングにおけるような小型のものでは高さ130cm幅50cm程度のもの、昔ながらの仏間に入れるような大きなものでは高さ180cm幅120cmくらいのものまであります。

また最近では「壁掛け仏壇」も登場しています。まだまだ需要は少ないものの、限られたスペースを有効利用するため、徐々に認知されています。

1-2 仏壇の様式-伝統仏壇の方が高価な傾向

仏壇の様式は、主に次の3つに分けられます。

唐木仏壇

唐木仏壇とは銘木の木目の美しさが特徴の仏壇です。伝統的な様式に則り、どの宗派でも用いることができます。使用する木材とその量によって、値段が変わります。また、彫刻や塗装や組み立てなど、細部の手仕事も値段を決める大切な要素です。

金仏壇

金仏壇とは、漆や金箔を使ったきらびやかな仏壇です。極楽浄土を表すことから浄土真宗で主に用いられています。材料と職人の技術を鑑みても、もっともコストのかかる仏壇です。

家具調仏壇

家具調仏壇とは、仏間ではなく居間やリビングに置くことを想定したモダンな仏壇のことです。機能性とデザイン性を重視し、シンプルな作りになっているため、3種類の中ではもっとも安価な傾向にあります。

それぞれの特徴はのちほど詳しく述べます。

1-3 産地―原材料の産出地と加工地

仏壇の産地によって仏壇の値段が変わります。中国やベトナム、インドネシアの方が日本よりも人件費が安く抑えられることから国産の方が高く、外国産の方が安いと見て、まずは間違いないでしょう。

しかし、この国産と外国産という表記は実はあいまいです。「産地」の定義に統一規格がないためです。「原材料の産出地」なのか、「加工した場所」なのか、「組み立てた場所」なのか、解釈次第でいかようにでも表記できてしまいます。しかし消費者の立場に立ち業界でも自主的にルール作りはさおれており、日本全国の仏壇仏具業界で構成される全日本宗教用具協同組合では、2013年に「国産仏壇の統一表示」の表示を次のように規定しました。

金仏壇

金仏壇の工程は木地、宮殿、彫刻、錺金具、蒔絵、塗り、金箔押し、組立・仕上げの8工程があり、このうち木地、塗り、金箔押し、組立・仕上げの4工程と宮殿、彫刻、錺金具、蒔絵の4工程のうちの1つ以上の工程を国内で行った製品が「国産」「日本」の表示となります。

※仏壇公正取引協議会HP「金仏壇の品質表示と原産国表示」より引用

唐木仏壇

唐木仏壇の工程は木地、宮殿、彫刻、塗り、組立・仕上げの5工程があり、このうち木地、塗り、組立・仕上げの3工程以上を国内で行った製品が「国産」「日本」の表示となります。

※仏壇公正取引協議会HP「唐木仏壇の品質表示と原産国表示」より引用

1-4 仏壇作りの手間ひま―工芸品としての細部へのこだわり

手間ひまのかけ方は仏壇の値段に大きく反映されます。小さい上置き仏壇でも手間ひまかけたものは100万円を超えるものがありますし、仏間に入る台付き仏壇でも大量生産された安いものもあります。

これは何も仏壇だけの話ではありません。どんな商品にも、安価なものもあれば最高級品のものもあります。時計だと「ただ時間が分かればいい」、家具だと「ただ物が収納できればいい」といったように、機能だけを求める人もいれば、それには留まらない「よい時計をつけることで仕事のモチベーションが上がる」「お気に入りでインテリアに調和した家具を置くことで今まで以上にお部屋の居心地がよくなる」などの、さまざまな付加価値を求める人もいます。

仏壇は、祈りのための工芸品。亡き人の、そして自分自身の幸せを願うためのものです。だからこそ、少しお金がかかってもいいものを買おうとする人が多いのも事実です。唐木仏壇や金仏壇などの伝統的なものとなると、彫刻や漆や金箔など、日本が世界に誇る伝統工芸の技術を集めて作られていますが、金箔の押し方ひとつとっても、手間ひまのかけかたによって、美しさや輝きは変わるものです。家具調仏壇でも上質な材木、職人によるきめの細かい仕事、斬新で使いやすさを追い求めたデザイン性など、ひとつの仏壇を作るためにかける手間が多れば多いほど、付加価値が加わり、価格も高くなっていくのです。

ここまで、仏壇の値段を決める要素に、大きさ、種類、産地、手間暇があることがお判りいただけたかと思います。では次章から、仏壇の種類別の費用相場についてくわしく解説してまいります。

2 仏壇の費用相場

1章で述べたように仏壇には様式やサイズによって様々な種類があります。それぞれで相場が大まかにことなりますので、こちらの一覧表をまずはご参考ください。

様式・サイズ別 仏壇の相場
台付仏壇 上置き仏壇 壁掛け仏壇
唐木仏壇 50万円~150万円 10万円~50万円
金仏壇 70万円~200万円 30万円~100万円
家具調仏壇 20万円~80万円 5万円~30万円 10万円~50万円

唐木仏壇、金仏壇、家具調仏壇、それぞれどのような要素によって値段が付けられているのでしょうか。詳しく解説してまいります。

2-1 唐木仏壇の相場

唐木仏壇の相場は上置き仏壇で10万円~50万円、台付き仏壇で50万円~150万円くらいでしょう。唐木仏壇は、仏壇の大きさ、木材、工法によって値段が大きく左右されます。

唐木仏壇の特徴は「練り工法」。これは芯材と表面材を貼り合わせる工法のことです。表面材には黒檀や紫檀などの銘木を、芯材には天然木材や人工木材を使用します。

たとえば、「紫檀仏壇」と呼ばれるものの場合、紫檀の木が用いられるのは仏壇の表面だけで、芯材には、朴やセピターなどの天然木材、シナベニヤなどの天然合板、さらにはMDFという人工合板が使われます。(中には、芯材と表面材をともに唐木で作る「無垢仕上げ」というものもあります)。芯材は人工合板や天然合板よりも、天然木材の方が品質がよく、高価です。

銘木の貼り付け方もさまざまです。前面だけ貼る「前練り」、前後を貼る「二方練り」、三方を貼る「三方練り」、四方を貼る「四方練り」があります。貼り方の違いにより、銘木を使用する量が変わり、値段にも反映されます。たくさん貼られている方が当然高価になります。貼り付ける銘木の厚みも、厚さ3mm以上の「厚板」や、0.1~0.8mm程度の「薄板」に分けられ、厚いほうが高価になります。

また、表面材に用いられるのは唐木ばかりとは限りません。コストを抑えるために、唐木を使わずにそれに似た模様のプリント材を用いる「木目調プリント」という工法もあります。

2-2 金仏壇の相場

金仏壇の相場は上置き仏壇で30万円~100万円、台付き仏壇で70万円~200万円くらいでしょう。金仏壇の価格は、仏壇の大きさ、金箔や漆などの材料、職人の技術や手間のかけ方に左右されます。

金仏壇の最大の特徴は金箔と漆です。上質なものを用いることで、きらびやかな極楽浄土を再現するだけでなく、仏壇の耐久性も向上します。金箔は純度によって等級が定められており、また漆も、国産の生漆の採取量が激減しているため、外国産の漆や代用漆(カシュー漆など)、あるいはウレタン塗装など、表面の塗りにどのような方法を採るかによって値段も変わります。国産漆は非常に高級です。外国産の漆も高価な部類に入り、代用漆やウレタン塗装は比較的安価です。

それ以外にも、彫刻や蒔絵など、金仏壇はさまざまな職人の手が集まってできあがるため、それぞれの工程での手間をかければかけるほど高価になっていきます。

2-3 家具調仏壇の相場

家具調仏壇の相場は上置き仏壇で5万円~30万円、台付き仏壇で20万円~80万円、壁掛け仏壇で10万円~50万円くらいでしょう。家具調仏壇の価格を決める要素は、木材と工法です。

家具調仏壇の代表的な木材はウォールナットやタモなどがあります。同じ木製の仏壇である唐木仏壇に比べると、構造がシンプルなため相対的に安価です。また、木製のものを多く見かけますが、その他にも漆塗り、鏡面塗装、ガラスや金属を用いたものなど、デザインの自由度が高いのも家具調仏壇の特徴で、細部にこだわるほど価格は高くなります。

ここまで仏壇の本体に対してどのような値段がつけられるのかをご説明してきました。次章では、それぞれの仏壇店がどのように仏壇の値段をつけるのか、その傾向についてお伝えします。

3 店舗別にみる仏壇の値段の傾向

ひとつひとつの仏壇にどれくらいの値段をつけるのか、これは仏壇店次第です。というのも、仏壇業界はオープン価格が主流です。一部のメーカーは希望小売価格を表示していますが、大半のメーカーは市場での仏壇の販売価格を小売店に任せているのです。仏壇の値段のつけ方は、仏壇店の姿勢によってさまざまなのです。

仏壇の小売店は、主に次の3つに分けられます。

  • 店舗型
  • ディスカウント型
  • ECサイト型

それぞれの特徴を見ていきましょう。

3-1 実店舗 

実店舗には現物の仏壇が並んでいます。買う側からすれば、仏壇本体のサイズ感や質感など、現物を確認することができて安心です。また、店舗型で仏壇を購入した場合、ほとんどの場合でスタッフが配達と設置をしてくれます。仏壇についてだけでなく、さまざまな仏事の分からないことを店員に相談でき、アフターサービスを任せられる点も利点です。ただし、店舗を運営するためのさまざまなコストがかかるため、費用は若干高めの傾向でしょう。

3-2 ディスカウント型

仏壇を破格の値段で提供する店舗のことです。たまに新聞折込などで「特別値引80%引き」などのコピーを見たことはありませんか? こうした業者は日本全国の仏壇店から訳あり品(廃業になった仏壇店からの買取り品など)を二束三文で仕入れて、破格の値段で販売します。安く買うことはできますが、品質やに不安があるかもしれませんし、業者のアフターサービスも期待できないかもしれません。

3-3 ECサイト型

インターネット上で仏壇を販売する業者が増えています。店舗運営が不要のためコストも削減できるため、相対的に安価です。さらには、自分が好きな時間にパソコンをのぞき込んで仏壇を選べますし、日本全国の仏壇店にアクセスできるので、選択肢は大きくなるという利点も挙げられます。ただし、現物を見て触ることができないのが何よりの不安ですし、自宅での設置を自分でしなければならないことも多いようです。

仏壇は、祈りのための工芸品。安くていいものが買えればもちろんいいのですが、安ければいいというものでもありません。少しでも奮発していいものを買ったからこそ気持ちを込めて手を合わせられるという側面もあります。無理しすぎることなく、でもちょっとだけ背伸びをしてみてもいいかもしれませんね。その背伸び分に、きっと故人さまも喜んでくれるのではないでしょうか。

Text by:玉川将人
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