お線香を贈るマナーと選び方

通夜や葬儀で贈る金銭を「香典」といいますが「香」とついているのは、香典が本来は金銭でなくお香を供える、お香を差し上げるという意味だったからです。それが、故人に捧げるお香をお求めくださいという意味を込めてお金が贈られるようになったそうです(※)

しかし現在でもお線香そのものも贈られます。お葬式に参列する際にお金と共にお供えとして贈られたり、金品をお贈りするのがためらわれる際に贈られたりします。お線香の贈り方と種類についてみていきましょう。

※愛知県線香卸商組合編「よくわかるお香と線香の教科書」三恵社、2015年、p.81
index 目次
  1. 1. 贈ってよい相手かどうかの確認
  2. 2. 贈る時期
  3. 3. のし・表書き
  4. 4. 包み方
  5. 5. 線香の種類
  6. 6. 香りの種類
  7. 7. 煙
  8. 8. 長さ
  9. 9. 色
  10. 10. 香十徳

1 贈ってよい相手かどうかの確認

お線香は仏具ですので、神道やキリスト教など他の宗教の方に贈ることのないようにしましょう。また最近は、仏壇を置いていない方もいます。ご自宅で線香を使っているのかどうかの確認は必要です。

2 贈る時期

線香を贈ることは故人を偲ぶ気持ちの表れですので、差し上げる時期に決まりはありません。仏前のお供え物は、「香(お線香やお焼香)・灯(ローソク)・華(仏花)」の三つが基本とされます。「香を聞くを以って佛食と為す」と説く経典もあり、お香は仏や亡くなった人々の食べ物であると考えられてきました。

3 のし・表書き

のしの表書きは贈る時期によって変わりますので注意しましょう。

  • 「ご霊前」・・・亡くなられて49日迄
  • 「ご仏前」・・・亡くなられて49日を過ぎてから
  • 「お供え」「お香」・・・亡くなられた日にちに関係なく使える
  • 「新盆御見舞い」「初盆御供」・・・新盆を迎えるお盆期間に使う
  • 「喪中御見舞」・・・喪中葉書を受け取った後などに使う

4 包み方

進物用線香は箱入りのものを選び、包装紙で包み、のしをかけます。 仏事用は左から開く様に包みます。

5 線香の種類

杉線香

杉の葉を原料として作られる線香です。煙が多いので主にお墓参りで使われ、自宅のお仏壇ではあまり使用されません。

匂線香

椨(たぶ)の木の皮を粉末にしたもので作られたもの、香原料を加えられたもの、伽羅や白壇、沈香などの香木を使った高級な物など、様々な種類があります。ご進物用として贈るのは、こちらの線香です。一般的に2000円~10000円くらいで売られているようです。相手との関係などを踏まえ、予算の中で選びましょう。

6 香りの種類

古くから格式の高い線香として使われてきた、伽羅や白壇の香りは、今も人気があるそうです。また、最近は白梅、桜、バラなど花の香りがする線香や、コーヒーやフルーツ、お菓子の香りがする線香など様々なものが売られています。

故人の好きだった花やお菓子の香りがする線香を差し上げて、故人との思い出を遺族の方とお話しされても良いかもしれませんね。ただし遺族の方の好みもありますので、確認ができる関係性の方は事前にお伺いした方が、本当に喜んでいただけるものを贈ることが出来るでしょう。

7 煙

仏事においてはお線香の煙にも、大切な意味があります。しかし、近年の住宅は気密性の高いものが多くなり、部屋中に煙が出てしまうと困る場合があります。そのため煙の少ないお線香も売られています。遺族の方の住宅事情などを考慮して選びましょう。

8 長さ

大きく2種類に分かれます。

  • 短寸・・・長さ5寸(13~15cm) 燃焼時間は約25分~30分
  • 長寸・・・長さ9寸(23~25cm) 燃焼時間は約40分~

一般的に進物用は短寸が多く使われます。

9 色

単純に原料だけを混ぜ合わせると茶色系の色です。いまは染色の技術が進んだのでどんな色でもつけられるようになったそうです。差し上げるのに、特に決まりはありませんので、好みで選ばれると良いでしょう。

10 香十徳

「香十徳」は11世紀の北宋の詩人黄庭堅(こうていけん)作の詩文で、その後、一休禅師(一休さん)によって日本に紹介されたと言われています。香の効用を端的に、そして格調高く伝える詩文です。

<香十徳(こうじっとく)>

  1. 一. 感格鬼神・・感は鬼神(きじん)に格(いた)る・・感覚を研ぎ澄ます
  2. ニ. 清淨心身・・心身を清浄にす・・心身を浄化する
  3. 三. 能除汚穢・・能(よ)く汚穢(おわい)を除く・・けがれを取り除く
  4. 四. 能覺睡眠・・能(よ)く睡眠を覚ます・・眠気を覚ます
  5. 五. 静中成友・・静中(せいちゅう)に友と成り・・孤独をいやす
  6. 六. 塵裏偸閑・・塵裏(じんり)に閑(ひま)を偸(ぬす)む・・忙しくても心をなごます
  7. 七. 多而不厭・・多くして厭(いと)わず・・たくさんでも邪魔にならない
  8. 八. 寡而為足・・寡(すくな)くして足れりとなす・・少なくても充分香る
  9. 九. 久蔵不朽・・久しく蔵(たくわ)えて朽ちず・・永く保存できる
  10. 十. 常用無障・・常にもらいて障り無し・・常用しても害がない

遺族を慰める香を選ぶ時間も、故人を想い偲ぶ、大切な時間になりそうですね。お線香に気持ちを込めてお贈りすることで、自分自身も浄化され慰められるのかもしれません。

参考文献
  • 愛知県線香卸商組合編「よくわかるお香と線香の教科書」三恵社、2015年
  • 鳥毛逸平「お線香の考古学―暮らしに根付くお線香の香り―」フレグランスジャーナル社、2013年
Text by:ASATO
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