「直葬」の訃報の伝え方

今回は「直葬」(火葬式)の訃報の伝え方について、家族・親族へ、友人・知人へ連絡する方法と内容をまとめました。直葬の一般葬との違いや訃報を伝える際の注意点やその内容、電話やメール、LINE、死亡通知状の文例もご紹介します。

「一般葬」、「家族葬」の訃報の連絡についてはこちらの記事をご参照ください。

なお、身内の死は「亡くなりました」「永眠(いた)しました」と表現します。「亡くなる」は尊敬語ではありませんので、自分の身内が亡くなったときにも使います。

index 目次
  1. 1. 直葬と訃報
  2. 2. 家族、親族への連絡
  3. 3. 事後報告

1. 直葬と訃報

直葬とは

直葬(ちょくそう・じきそう、火葬式ともいう)は、通夜や葬儀などの儀式を行わず、火葬のみで亡くなった人を見送ることです。数人~10人程度の近親者のみが火葬に立ちあい、祭壇も読経も精進落としもない(別途費用で依頼することもできますが)最も簡素な形式になりますので、大幅に費用を抑えることができます。直葬の費用の相場は20~30万円です。

また、直葬は式場を借りないので準備するものも少なく、かかる時間も短く、労力的にも遺族の負担は少ないというメリットがあります。直葬・火葬式は故人の遺志が「葬儀不要」だった場合や故人や家族が通夜や葬儀といった儀式にこだわらない、本人が高齢で参列者が少ないことが見込まれる、それまで医療や介護にお金がかかり葬儀にかける費用がない、といったケースに向いています。

少し古いデータですが、NHKが2013年に行った調査によると関東では、この時点ですでに5件に1件が直葬であったとのことです。最近では新型コロナ感染予防のため、多くの人が集まる機会を避けて、通夜・葬儀の規模を縮小、簡素化して実施される傾向があり、直葬の占める割合はさらに大きくなっていくと思われます。

参考

直葬と決める前に

通夜や葬儀という儀式は、故人のために行われると同時に遺された人が大切な人が亡くなったことを受け入れていくプロセスでもあります。通夜や葬儀をするのかしないのか、本当に火葬だけでいいのか、やらないことで後悔しないだろうか…。直葬にするかしないかは、熟慮して決めるべきでしょう。

その際、どのように見送るのかについて、生前に本人の希望を聞き、あらかじめ家族・親族で話し合う時間をもつことができれば、納得しやすいものとなるでしょう。

また直葬は一般葬と比べてまだ馴染みのない人も多いことから、家族や親族などには従来の通夜・葬儀とは日程や内容が異なることを説明し、しっかりと周囲の理解を得ておく方がいいでしょう。

直葬の流れ

通常の仏式の一般葬は、1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式、出棺、火葬、繰り上げ初七日法要、精進落としという流れです。それに対して直葬は、通夜や葬儀、火葬後の法要を行わず火葬だけを行います。

一方、直葬の大まかな流れとしては次のようになります。

病院などから遺体を移動

安置

納棺

火葬場に移動

お別れをしてから火葬

骨揚げ

火葬当日にかかる所要時間は3、4時間が目安です。

しかし、遺体は墓地埋葬法で死後24時間以内の火葬が禁じられているため、火葬まで遺体を安置しておく必要があります。まず病院など亡くなった場所から、遺体を安置する場所に搬送します。通夜や葬儀をする場合と違い式場を借りないので、安置場所は自宅や、火葬場に併設されている霊安室、葬儀社の安置所などが選択肢となります。火葬場の安置施設は遺族が付き添えないこともあるのでその点は注意が必要です。

火葬当日は、遺体の安置場所で納棺します。ここで、希望があれば焼香や花入れ、読経などを行う場合もあります。火葬場へ移動し、火葬と収骨を行います。

2. 家族、親族への連絡

直葬は家族・親族のみ、ごく少数で行うので、火葬に立ち会ってもらう人のみに連絡します。 火葬に立ち合ってもらう人以外の親族や友人、知人には電話や死亡通知状で「亡くなったこと、直葬で見送りました」という事後報告になります。(詳しくは3.事後報告をご覧ください。)訃報を受けた人の中には弔問に訪れたいという人もいますので、その場合は後日自宅での対応が必要になります。

直葬の訃報は「直葬」で見送ると決定してから

一般葬では第一報でまずは亡くなったことを知らせ、詳細が決まり次第、続報として通夜や葬儀の情報を知らせることが多くなっています。しかし直葬の訃報は、なるべく「直葬で故人を見送る」と決まってから連絡するようにしましょう。その際に「近親者だけで見送る」などの旨もあわせて伝えます。

亡くなったことだけが先に伝わると、相手もそれなりに準備をし始めますので、参列したい、火葬場に来たいという人がなし崩しに増えてしまうことが考えられ、そうなると直葬の趣旨は何だったのか、という事態になる可能性があるからです。

直葬の香典

直葬では香典をいただかないのが一般的のようです。参列していただく方は、香典が必要かどうか迷ってしまう方もいるかもしれませんので、香典を辞退する場合は「香典等お気遣いは不要です」と言い添えた方がいいでしょう。それでも中には香典を持参する方もいるかもしれませんが、その場合は相手の気持ちを汲んで受け取り、後日香典返しをおくります。

訃報の内容

直葬の訃報は、連絡先も限られますし、伝える内容もシンプルです。基本的には電話で以下のことを知らせます。

直葬の際に電話で伝える内容
  • 故人の名前
  • 連絡している自分の名前と故人との関係
  • 死亡した原因、日時と場所
  • 故人の年齢
  • 通夜・葬儀はせず火葬のみ行う直葬である旨
  • 自分の連絡先
  • (決まっていれば、または決まり次第)火葬場の場所と時間
  • (受け取らない場合は)香典や供花は辞退する旨
家族・親族への電話例

おはようございます。
○○○○(故人の名前)の夫の□□(自分の名前)です。
○○(相手の名前)さん大変ごぶさたしております。
急な電話での連絡で申し訳ありません。
実は今朝、妻が○○(死因)のため□□(死亡場所)で亡くなりました。
本人の遺志で通夜・葬儀を行わず火葬だけ、直葬というかたちで見送る予定ですが、□□火葬場にお別れに来ていただけないでしょうか。
○月○日○曜日○時から○○火葬場にて行います。
(または、では詳細が決まり次第ご連絡させていただきます。)

何かありましたら私の携帯(番号)までご連絡ください。
なお、香典等のお気遣いは不要でございます。
何かとお世話になりますがどうぞよろしくお願いたします。

3. 事後報告

直葬の場合、限られた少ない人数に亡くなったことを連絡し、火葬をするので、その他の親族や友人、知人など多くの人は故人が亡くなったことを知らないままでいるでしょう。しかし死亡の知らせが遅くなりすぎるのはお世話になった方々への不義理になります。火葬後~10日をめどに訃報を伝えるようにします。火葬に立ち会った家族・親族以外の人に電話や死亡通知状で「亡くなったこと」「すでに故人を見送った」ことを知らせ、「連絡が遅くなったこと」をお詫びしましょう。

訃報を受けた人は弔問、供花や線香を送る、といった対応を申し出てくれることもあると思われますので、その場合は弔問先や送り先の住所、連絡先を伝えます。

弔問について詳しくはこちらをご参照ください。

電話で伝える

直葬を済ませた後に訃報を電話で伝えるのは、親族(訃報を伝えて直葬に立ち会った親族以外)や親しい友人など、故人と近い間柄の人たちや遺族の親しい友人などです。基本的には、故人が電話で連絡を取っていた人には電話で知らせるようにした方がいいでしょう。

直葬後の電話連絡文例

○○○○(故人の名前)の(続柄)の□□(自分の名前)です。
急なお電話での連絡で申し訳ありません。
父○○が先週水曜日〇月〇日に永眠いたしました。
本人の遺志で近親者のみで直葬で見送りました。
ご連絡が遅れましたことどうぞお許しください。

死亡通知状・メールで伝える

死亡通知状は一般に葬儀を済ませた後に、喪主など遺族の代表者が故人の友人や関係者に宛てて出すもので、「亡くなったこと」「すでに葬儀を終えたこと」を知らせ、「生前のお付き合いに対するお礼」を述べます。死亡通知状の基本的な内容や出し方は葬儀の形式に関わらず同じですが、直葬について触れずに亡くなったことを知らせるケースと、直葬で送ったと明記するケースがあります。

直葬を済ませた後に直葬に立ち合っていない遠い親族や故人の昔の友人や同僚などには死亡通知状を出します。故人が年賀状のやり取りをしていた人などに出すことが多いでしょう。

故人の仕事関係者など、主にメールでのやり取りをしている相手であれば、メールで伝える場合もあるでしょう。死亡通知状と同じように、「亡くなったこと」「すでに故人を見送ったこと」「連絡が遅くなったお詫び」を伝えます。

死亡通知状の文例1

母〇〇〇〇儀 去る○月○日○時 ○○歳で永眠いたしました
亡母が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに 謹んでご通知申し上げます

〇〇年〇月〇日
〇〇〇〇(差出人名前)

死亡通知状の文例2

父○○○○儀 かねてより病気療養中でしたが ○月○日午後○分 ○○のため逝去いたしました(享年○○)
故人の遺志により ○月○日 近親者のみにて見送りました
お知らせが遅れました事を深くお詫び申し上げます
ここに生前賜りましたご厚誼に深謝いたしますとともに 謹んでご通知申し上げます

○年○月○日
○○○○

死亡連絡メールの文例1

(続柄)○○○○(故人の名前)が去る○月○日〇〇歳の生涯を閉じました。
本来なら早くお知らせすべきでしたが、通知が遅れました事を深くお詫び申し上げます。
なお故人の遺志により近親者のみ直葬にて○月○日に見送りました。
ここに生前のご厚誼を深謝申し上げます。

死亡連絡メールの文例2

(続柄)〇〇〇〇(故人の名前)が○月○日○時○○歳で亡くなりました。
○○(病名等)のため○○月から入院治療中でした。
○月○日故人の遺志により○○(火葬場)にて近親者のみで見送りました。
ご連絡が遅れましてまことに申し訳ありません。
生前の(続柄)との長く温かいお付き合いに心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

喪中はがき(年賀欠礼状)で伝える

訃報をすぐに伝える必要がない相手(遺族の友人、知人など)には喪中はがき(年賀欠礼)を出します。喪中はがきは「訃報」のために送るものではなく、喪中期間中の正月に「喪に服しているので新年を喜ぶ挨拶ができず申し訳ありません」という意味で送るはがきです。喪中はがきの正式名称が「年賀欠礼状」であるのはそのためです。

故人が亡くなった年の11~12月上旬に相手に届くように送ります。相手が年賀状の準備を始める前に知らせた方がいいからです。12月に亡くなった場合や向こうから年賀状をもらった場合は「寒中見舞い」を出します。寒中見舞いは、松の内(元旦~1月7日)を過ぎてから、節分(2月3日)頃までに届くようにしましょう。

喪中はがき(年賀欠礼状)文例

喪中につき年末年始のご挨拶を、ご遠慮申し上げます
本年○月 父△△が□□歳で永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます

〇○年△△月
(住所)
(名前)

口頭で伝える

遺族の友人でそれほど深い付き合いでなければ、他の連絡や次に会ったときなど会話をしている中で伝えればよいでしょう。何らかの機会に知らせておけば、相手も「お母さん/お父さんお元気ですか?」と質問をしたり、他の人から聞いて気まずい思いをしたりしなくて済むでしょう。

SNSで訃報はよく考えて

なお、訃報をFacebookやTwitterなどSNSで伝えることについては賛否両論があります。訃報を受けた側は「そうだったのか」とただ事実を受け止めるいう人も、きわめて個人的なことで違和感がある、という人もいます。とくに身内からはネットに書くことについて「非常識」だという批判も多いようです。公開範囲なども考慮して慎重に判断するようにしましょう。

Text by:AISA
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